元シロ君が逃走・・・無事保護

ご主人がお休みの日は毎週のように里親さんと一緒にお出かけをしていたシロ君。里親さんとつくし採りに出かけた際に行方不明に・・・。里親さんから泣きながら電話があったときには頭の中が真っ白になりました。行方不明になったのが福岡市外だったのです。里親さんが呼んでも田んぼを横切って逃げて行き、追いかけたけど見失ってしまい暗くなるまで探したけど見つからないという連絡でした。逃げていった方向で山の開拓工事が行われており、立ち入り禁止区域の辺りで見失ったので山の中に入ったかも知れないという里親さん。その日の夜にシロ君が居なくなった現場まで案内していただきました。立ち入り禁止区域の山の中にも足がぬかるみ泥だらけになりながら里親さんご夫婦と一緒に探して歩きましたが見つからず、チィちゃんと再び出会えたようにシロ君とも再会できますようにと祈りながら毎日探しに行き続けました。田舎で人通りもなく民家に聞き込み調査をして回り、一生懸命シロ君の行方を追いました。里親さんが探しに行った際、居なくなった場所に居るシロ君を見つけたのですが、また逃げられたという事もありました。一度捕獲にあっているので、この子達は追いかけられると逃げてしまうのです。大きな声も怖がります。里親さんはつい大きな声で名前を呼び追いかけられたのです…飼主さんがいなくなった愛犬に会えたのですから当たり前の行動だと思いますが、この子達はそれでは逃げてしまうのです。ですから見つけたときは、追いかけずにそっとして、低い姿勢でご飯を投げてあげ自分から近寄ってくるのを待つか、驚かさずに追跡してどこか捕まえやすい所に追い込み「捕まえる」という形でないと難しいことを伝え、とにかくあんまり追いかけると危険な場所と思い移動してしまうので、まずは餌場がある所からは移動しない犬の習性を考え、ご飯をあげることに専念していただくことにしました。しかしそれっきりシロ君に会うことはなく、探すだけの日々が続きました。どんなに馴れていても、やはり産まれたときから人の下で育ったワンちゃんたちとは違います。何年かの時間をかけないと、いったん手から離れると素人ではたとえ飼主さんでも捕まえるのは難しいものです。私たちはこれまで数多くの「野犬」と言われるワンちゃん(全く人間を知らない子たち)に関わり、リハビリして里子に出してきましたが、一度逃げられると会えない限り保護することは出来ません。会うためにどれだけの努力と時間が必要か計り知れません。里子に出す前にかなりのご説明をさせていただいていますが、多少怖がりであること以外、尻尾も振るし一見普通のワンちゃんと変わりはありません。そのためどうしても最初のうちは注意を払っていても時間と共に注意が薄れ油断してしまうのです。一生懸命、泣きながらシロ君を探しておられた里親さんです。シロ君を思う気持ちは充分に伝わってきましたし、出かけるときもいつも家族と一緒だったシロ君…可愛がって下さっていたことは良く分かっています。これから里親さんと、シロ君の今後について話し合っていこうと思います。その上で里親さんの元へ戻るか当会にて面倒を見ていくか判断しようと思います。大事なことですので多少時間はかかるかも知れませんが、結果が出ましたら皆様にお知らせいたします。
我家に帰ってきたシロ君。のんきのノンビリしています。シロ君を見つけて捕まえるまでは、保護できないんじゃないかと思うほど逃げまくっていましたが捕まえると尻尾をフリフリ振って一緒にピョンと車に乗って帰ってきました。居なくなった場所から5〜6キロ離れた場所でシロ君に会いました。命を救った以上は決して不幸にする訳にはいきません。救った以上、私たちには責任があります。チィちゃんにしてもシロ君にしても、心配の残る子を里子に出す場合は万が一のことを考え、逃げ出した時にはすぐに駆けつけることができ、探しに行ける近郊の方の元へ里子に出しています。シロ君のお家は歩いて行ける距離でした。まさか出かけた先で行方不明になるなんて・・・。動物たちの世話、予定されていた面接、里子だし、キャンセルできない仕事以外は許された時間は全てシロ君探しに費やした10日間でした。今シロ君が目の前にいることが嬉しくてなりません。
愛するワンちゃんを迷子にしないために!
行方不明犬がどれだけ多いことか、愛するワンちゃんに再会できる人はごく僅かです。鑑札・名札は必ず付けてください。鑑札が付いている子は飼主さんとすぐ連絡が取れるので保護してくださる方も多いです。警察署や動物管理センターからも鑑札を付けておけばすぐに連絡をいただけます。行方不明・迷子、それは飼主のちょっとした不注意によるものでおきています。「うちの子は逃げたりしないから」とか「大丈夫だろう」ではなく「もしかしたら?」と常に最悪の場合を考える習慣をつけましょう。いなくなったワンちゃんやニャンちゃんが悪いのではありません。全ては飼主の責任です。ワンちゃんが居なくなって、誰かが保護してくれるのを待っていても、動物管理センターから連絡が入るのを待っていても、そう簡単には見つかりません。行方不明になったとき、鑑札や名札は見つけるための手段の一つに過ぎません。鑑札や名札を付けておけば見つかるというものでは決してありません。大事なのは行方不明にしない事。そして万が一のために鑑札や名札を付けておくことです。ワンちゃんやニャンちゃんは止まってはいません。行方不明になると、時間と共に見つけることが難しくなっていきます。日数と共に探す範囲も広げなければなりません。週に一度、休みの日に探していても会うことなんて出来ません。仕事も家庭も犠牲にして探してあげることは出来ますか?何日かかるか分かりません。一生見つからないかも知れません。どっちの方角に居るのかさえ分からず、ただあてもなく探して回らなければなりません。こんな思いはしないのが一番です。皆さん、気をつけましょう。そして周りの人にも気を付けてあげるよう、鑑札や名札の重要性を伝えていってあげてください。飼い主の元に戻れる迷子犬は本当に少ないのです。動物たちのために宜しくお願い致します。

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