2008年9月23日
ホット君 再び動物病院へ
〜緊急手術になりました〜
22日〜23日 | ||
21日、病院から戻り、治療の効果が出てポニョ子ちゃんは回復に向かいましたが 翌日になっても回復の兆しは無くホット君は状態が落ち込むばかりでした。 なぜ?お薬も効果がでません・・・。 どうしたの?とさすってあげていると耳の後ろ辺りを痛がります。 野犬ちゃんなのでみんな最初は頭をなでると嫌がる物なので、それなんだと思っていたものです。 ですが後頭部にプヨプヨした感触を確認しました。 それから絶対どこかにケガを負っている筈だと延々と時間は掛かりましたが見つけ出しました。 噛まれたと思われる傷です。 毛を掻き分けて見ても見逃してしまいそうな傷でしたが、ようやく見つけた傷跡。 粗治療ではありますが毛を両サイドに引っ張って傷口が開くかやってみました。 すると血膿が噴出してきました!出せるだけの膿を出しました。 噛まれた傷なら1箇所ではない筈だと探しましたがココ以外に見つけることは出来ませんでした。 |
||
膿を出せるだけ出して消毒! | ||
可能止めの軟膏を傷の中に塗りこみましたが 痛いのでしょう・・・咬み付いて来ました。 でも私の手にではなくお薬に! |
||
食欲は無いので 化膿しないようにお薬を直で飲ませています! と言っても もう化膿している状態なのですが・・・。 |
||
日に2回、膿を出し消毒して軟膏を塗り薬を飲ませました。 このケガが原因なら溜まっていた膿が出たことで体調も回復してくると・・・。 |
||
夜には見事に食欲も少し回復し始めました! きっとこれで良くなって来る筈だと思っていました。 |
||
しかし食べたものも薬も夜中には全て吐き出しました。 それから一切何も口にしません。 |
||
食欲が無い時の栄養補助食品カロリーアップ。 ポニョ子ちゃんは飲んでくれているのですが ホット君は食べ物にもミルクにも口を付けません。 |
||
薬も吐き出してしまうため マリンちゃん用の常備薬 粉タイプのお薬を飲ませる事にしました! |
||
しかし口にしたものは 全て吐き出してしまいます。 |
||
21日の日曜日、病院へ行ったときに分かっていたなら診察していただくことも出来たのですが その時点では分からず翌日の22日に気が付きました。 今日は23日…祭日で病院はお休みです。 日曜日や祭日ばかり、無理を言って診てもらっているので先生にも申し訳なく…どうした物かと考えました。 でも人間の事情なんて物にこだわってためらっていると命だって落としかねません。 どう見ても、もう自分では対応しきれないホット君の状態なのです。 迷惑は承知で朝から先生にリンリン電話を掛けました。 先生に21日に診てもらった後の状況とケガの説明と行なった治療を説明しました。 しかしケガでそこまで食欲が落ちたり下痢をしたり嘔吐を繰り返したりする可能性は非常に低いと言われました。 何か別の原因があるはず…もし元気がないと判断するなら直ぐに連れておいで…と言って下さいました。 直ぐと言っても直ぐにハウスを出ても病院(福岡)まで2時間はかかります。 先生にその事を念を押してお伝えし、直ぐにハウスを出発しました。 |
||
車の中でも嘔吐を繰り返していました・・・。 | ||
病院について診察を受けているホット君です。 可哀想にホット君は精神状態が落着く前に怖い思いの連続です。 |
||
すぐに疑わざる終えなかったのが伝染病のパルボです。 センターで感染したとしたら、ちょうど発症する頃に当たるのです。 症状も全て当てはまっています。 検査結果が出るまでの間…ホット君は助かるのか? ワクチンを打ってない子達(ポニョ組みやみゆきちゃん)の事 頭の中は最悪な状態でいっぱいでした。 しかし検査結果は陰性!本当にホッとしました。 |
||
次の検査に入る前にケガの方の手術が行われる事になりました。 膿は出したと言えども…切って出さないと症液が溜まっていると診断されたのです。 あの後頭部のプヨプヨです。押すと水の音がジュジュジュとしています。 体力が低下している事や嘔吐していること、麻酔をかけるのは非常に危険な状態でしたが手術するほかありません。 野犬ちゃんなので極度の緊張状態の中ではショック死などの危険性も高いです。 暴れていましたがしっかり麻酔が効くまで声をかけてあげました。 捕獲前に負った怪我なのか、センターで負った怪我なのか、それは不明ですが 首を噛み付かれ、しとめられようとした事があるのでしょうね…。 野犬たちも自分が生きていくのに必死です。分け与える食がないのです。 センターでは収容犬が多いと大きな子も小さな子も同室になります。 気が立っている子もいて当然なのです。 もし血管に牙が刺さっていたら命を落としていたでしょう。 いつ、どこでケガをしたのかは分からないけど…この子が沢山ツライ思いをした事は確かなんです。 辛かった日々を乗り越えて大きな幸せを掴んで欲しいです! |
||
麻酔が効いて毛を剃られたホット君。私が見つけた傷跡のところです。 | ||
私が開いた傷跡から 器具を後頭部まで入れて 症液を出そうとしている状態です。 |
||
でも思ったより状態は悪くドレーンを通す事になり、後頭部と喉元(傷口より下)にメスを入れる事になりました。 症液、血膿を全部洗い出し、中を全部消毒して薬が入れ込まれ、ドレーンが通されました。 炎症を抑える注射と化膿止めのお注射を受けました。 |
||
ドレーンが通った後頭部側です。 | ||
喉もと側です。 矢印のところが噛まれた傷跡部分です。 後頭部から傷口、そして喉もとにかけてドレーンが通された部分に 薬が通されています。 後頭部側から薬を入れて傷口側から薬が出てきています。 |
||
こうして後頭部から喉もとまでドレーンが通されています。 | ||
こんな小さな体で… 体にも… そして、こんなに幼い心に どれほどの傷を背負っているのかと思うと 涙が溢れてきます…。 |
||
なかなか麻酔が覚めませんでした。 それほど体が弱っているのだと先生に言われました。 目が覚めると甘えてくれたホット君。 |
||
でもすごく怖がっていて、小さく丸くなって震えていました。 | ||
麻酔が効いている間に検査の為の血液もとりました。 検査が終わるまで毛布で包んであげてました。 |
||
溶血だと言われました。(赤血球が溶けている状態のこと) 貧血も酷く、脾腫(脾臓が腫れている)とのこと。 様々な検査結果を見て 先生は現時点では溶血性貧血だろうと診断するとの事。 怪我による物からの体調不良とは考えられないのか再度尋ねましたが 嘔吐や食欲不良、元気がない原因はやはりケガからの可能性は低いとのこと。 溶血性貧血の治療を行い様子を見る事になりました。 改善が見られない場合は 白血病やバベシア・・・考えられる病気についての説明を受けました。 今日は溶血性貧血の治療の為のお注射を受けました。 |
||
後はとにかく吐かない様にお水の制限をしながら薬は飲ませるしかないとの事。 薬を受け付けない、食欲も出ない…と言った場合は治療に通院するほかないそうです。 お水はポカリやアクエリアス系に代えること。 ご飯はレバーなど貧血を改善するものや この子が食べたい物を何でも食べさせてあげないさい!と言われました。 |
||
薬が1種類追加されました! 今日は全部、お注射を受けましたので明日から飲薬になります。 明日からはこのお薬が1種類増えて3種類のお薬を飲ませる事になります。 |
||
食欲はありませんがポカリスエットはお利口さんに飲んでくれています! | ||
水分制限しているので お水を欲しがって水入れから離れません。 1日量を少しずつ 可能な限り1回に飲ませる量は小量で回数を多く! 精一杯の力でお世話に当たっています! |
||
相変わらずずっとグッタリです。 食欲もありません。 どうなるか分からない状況なのですが 何とか頑張って乗り越えてくれるように お世話しています。 |
||
レバーを買ってきてあげました! 残りは老犬ちゃん用です。 |
||
レバーを小さく切ってあげましたが 全く食べません。 ポカリスエットだけを飲んでくれています。 |
||
食べてくれていたホット君が好きなカリカリも置いてあげています。 お薬が効いて少し体調が良いのか食べ物に興味はあるようで匂いを嗅ぎに来ます。 |
||
でも中々食べてくれません。 だけど少しずつ手をペロッと舐めてくれたり 甘えるような仕草を見せてくれています。 |
||
全く食べずに横たわったままです。 時間も経過しご飯が傷んだらいけないと思って引こうとしたら… |
||
慌てて起き上がって「持っていかないで!」とご飯を隠しました。 ご飯はとても大事で 今は食べられなくても、困った時の為に取っておかなくては…と思っているようで すごく大切に取っているようです。 野犬ちゃんは食べ物にすごく苦労しているから… それは見ていると本当に痛々しいほどです。 痛んではいなかったので置いておいてあげる事にしました。 |
||
朝までに半分ほど食べました! | ||
何種類かのご飯とカリカリをあげています! 少しずつですが口にしています。 薬も食べた物も吐いていません! |
||
お水が欲しくて水入れの側にへばりついていますが 治療の為にキチンと制限して与えています! 薬も吐いていませんし 微妙な量ではありますが何とか少しは食べてくれているので 点滴などには行かずに済んでいます。 |
||
みゆきちゃんと一緒には遊ばせてあげられないけどホット君もチビッコ広場に出て運動しています! | ||
少し顔色も良くなりました! | ||
十分な量を食べてくれたら良いのですが 一日にして食べている量でも十分といえる量には程遠く、食付きも良くはありません。 何とか1日かけて病院へ行かなくていい程度を食べてくれてる状態です。 |
||
ご支援で頂きましたカツオを煮てあげました。 ご支援で頂きホット君が気に入っているカリカリと 舐めて食べられるように離乳食です! |
||
カリカリを少し食べて カツオを完食! 離乳食を一舐めして食べるのをやめました。 |
||
もしかしてカツオなら食べてくれるかな?とお代わりをあげてみる事に! | ||
1切れ残して2杯目も食べました! カリカリ少々にカツオのお刺身2切れ分 離乳食一舐め…と とても十分な量ではないけど 少しずつ回復している感じではないかと 思います。 |
||
チビッコ達のおやつの時間 ホット君もボーロタイム! 久しぶりにオヤツタイムに口を付けてくれました! ボーロ5粒ほど食べました。 |
||
缶詰やチーズなど色々試していますが ほとんど口をつけないままで終わる物も多しです。 だから食べるかどうか2〜4種類のご飯を一口ずつ置いて 様子を見て食べる物を追加で上げる形を取っています。 元気もあるとはとても言えません。 だけど嘔吐、下痢は治まりました!薬も吐かないでくれています! 食欲の回復と元気が出るまで頑張って治療とお世話をしていきます! |
ホット君がどのような状態に向かうかは先生にも「分からない」と言われました。
皆さんと一緒に救ったホット君。
この子が無事に元気を取り戻すように精一杯、頑張りたいと思います。
重い病気ではないと信じて!
野犬ちゃんとして生まれたら、まともな栄養なんて取れません。
いくら母乳を飲んで育っても…
そのママ犬だって極度の栄養不足の状態なのですから…。
ママ犬は僅かな栄養を子供達に取られる事になり本当にボロボロになっていくんです。
それでも懸命に子供達を育てているんです。
保護したばかりの子は大人も子供もみんな栄養不足による貧血状態です。
ホット君はそれが危険なほど、とても酷い状況なのだと思います。
だからしっかり治療をすれば、きっときっと元気になってくれると信じています。
ホット君の様子は引続きご報告してまいりますので、ぜひ見守っていてあげてください。