2009年3月26日
天使になったお兄ちゃん


20分 間に合わなかった…

朝の9時ごろには姉から

お兄ちゃんの様子が少しおかしい気がする…もしかすると…

そう連絡をもらっていた。

そう言う姉の様子もいつもとは違っていた…不安でいっぱい…緊迫していた…。

急いでハウスのことして戻るから待っていて

私はそう言って…急いだ。

しかし…20分 間に合わなかった…。

私が自宅に帰りついたのは14時30分。

お兄ちゃんは14時10分に眠りについていました。

「ゴメンね…お兄ちゃん…」

自宅とハウスとの距離を死ぬほど実感した。

ハウスを唐津に移したとき、お兄ちゃんを看取ってあげることは出来ないだろうと覚悟したけど

それでも私は看取ってあげるつもりでいた。

だから、とても、とても、私は辛かった。

でも家には天使になった透明のお兄ちゃんがいた。



お兄ちゃんは『ボクたちは、ちゃんと会えてるよ!』そう言っていた。

そして『ありがとう!ぼく大丈夫だったよ!』と。
    

そう、お兄ちゃんは30分前に一度心停止したのです。

『お兄ちゃん。お兄ちゃ〜ん。』

そう泣き叫んだ姉の声に、お兄ちゃんは一度戻ってきたんです。

そして最後の30分、姉と妹、二人の目をしっかりと交互に見つめ最後の時間を過ごしました。

家族として共に歩めた事をお互いに喜び合いながら…。

私達がお兄ちゃんを失いたくない気持ちでいたように

お兄ちゃんも私達と離れて旅立つ事を怖がっていたのです。

自分がどこへ行くのか分からず、一人になるのをすごく不安に思っていたお兄ちゃん。

お兄ちゃんが何を思い、何を感じ、何を考えているのか、私達家族にはよく分かります。

お兄ちゃんは私達と離れて一人でどこへ行けばいいのか…

ボクはどうなるの?って、すごく不安でいました。

お兄ちゃん、よく頑張ったね!

安心していいんだよ!

天国にはお兄ちゃんの家族も、仲間達も、み〜んながいて

みんながちゃんとお兄ちゃんを迎えに来てくれるから大丈夫だよ!

戻って来てくれて有難うね!

これまでたっくさん頑張ったんだから、もう頑張らなくていいよ。

もう呼び止めたりしないから振り返らずに家族の待つ天国へいきなさい。

またお空で会える日まで…

そしてお兄ちゃんは

『ボク、もう逝くね。ありがとう。』

そう言って、そっとそっと眠るように目を瞑りました。

静かに、眠るように、心臓の鼓動が止まりました。

今度は決して呼び戻さぬよう

そっとそっと、姉と妹はお兄ちゃんを静かに拍手で見送りました。

頑張り屋のお兄ちゃんは、精一杯がんばって、その人生を生き抜きました!

「お兄ちゃん、よく頑張ったね!ありがとう!」

天使になったお兄ちゃんは

『ありがとう!ボク大丈夫だったよ!』

『みんながボクを迎えに来てくれたから、もう怖くないよ!安心してね!』

『ボクは透明になったけど、マコ姉、いつも側に居るよ』

『ボクたちは、ちゃんと会えてるよ!』

20分 間に合わなかったけど

そこには天使になった透明のお兄ちゃんが、ちゃんと私を待っていてくれました。



お兄ちゃん本当にありがとう。


お兄ちゃんが大好きなパパさん(義兄)が花束を抱えて駆けつけてくれました。

「お兄ちゃん、よく頑張ったな!」

大好きなパパさんに沢山褒めてもらったお兄ちゃん。

花束をしっかり両手で抱えてルンルンです!

   

仮通夜

いつものように、お兄ちゃんのオヤツタイム!ご飯タイム!

いつもと違うのは、眠っているようにしか見えないお兄ちゃんなのに

それが減ることなく増えていくばかりだったこと。

   

大好きなお兄ちゃんを家族はみな直ぐ近くに感じていました。

透明になっても、お兄ちゃんはお兄ちゃんらしく、お家の中を「ごふぁ〜ん!ごふぁ〜ん!」とウロウロしていました。

    

たっくさんの力を貸してくれた大事なお護りも、しっかり胸に抱えて

仮通夜と本通夜を過ごしたお兄ちゃんです。



お兄ちゃんの家族たち

お兄ちゃん一家

どうしても諦めることが出来ない命たちだった…。

辛く苦しいばかりの生活を強いられ冷え切っていたこの子達の心…

その心を温めてあげたかった…。

この子達に、幸せを、笑顔を、あげたかった…。

その思いが報われたのは差伸べられた温かい手があったからでした。

その手を差し伸べてくれたのは

動物達の活動を通して出会いお付き合いをさせて頂いています全国にいる多くの先輩方でした。

先輩達に助けていただけた事で

この子達に新しい人生が、幸せが、ありました。

動物達の為に活動している多くの先輩達が力になってくれた事で幸せになれた子達です。



    

お兄ちゃんのお父さん犬のゴンちゃんです!

野良時代に人に殴られ、蹴られ、切り付けられ、体には無数の傷が残っていたゴンちゃん。

この活動を通して知り合い、お付き合いさせていただいていた神奈川県の先輩宅に

ゴンちゃんの人生をお願いさせて頂くことになりました。

里親さんが決まるまでの間のお世話と、里親さん探しのご協力を頂く予定でしたが

傷だらけのゴンちゃんの姿に

そのまま先輩のお宅の子として迎えて下さる事になりました。

1993年10月23日

「必ず、会いに来るからね!」そう約束して神奈川県でお別れしたのがゴンちゃんとの最後になりました。

ゴンちゃんは、とってもとっても、幸せいっぱいに過ごし



2001年6月14日 天国へと旅立ちました。

   

お兄ちゃんの兄弟犬、はじめ君です!

野良時代にフィラリアで吐血をして倒れていた事もありました。

人間不信のこの子に始めて触れる事ができたのが、そのときでした。

はじめ君は長野県で活動をされています
先輩にお世話になりました。

当時の私は、家庭的事情、保護場所および保護頭数の限界、様々な問題を抱えており

現実的にお兄ちゃん一家を救うのは本当に厳しい状況の中での救護でした。

先輩達が差伸べてくれた温かい手に救われ幸せを手にする事が出来ました子達です。

1993年10月24日

「必ず会いに来るからね!」そう約束して長野県でお別れしたのがはじめ君との最後になりました。

はじめ君は、1993年11月に先輩が里親さまとご縁を結んでくださり

ベル君と言う可愛い名前を頂いて

優しい里親さまの元で、とってもとっても、幸せいっぱいに過ごし



2004年3月8日 天国へと旅立ちました。

   

お兄ちゃんの双子の兄弟、ブチ君です!

野良時代、人間不信の親兄弟を支えるために人間に殴られても蹴られても家族のご飯を調達するために

家族の中でただ一人、人間に「食べ物を下さい」と言える子でした。

そんなブチ君との出会いが、この一家との出会いになりました。

人間にどんなに酷い目に合わされても、ブチ君は挫けずに家族を支え続けていました。

たとえパン1個でも手にする事が出来れば

どれだけ空腹でも自分だけで食べることは無く、一家の待つ隠れ処に持って行き家族で分け合って食べ、生活していました。

この子達を救うために里親探しも懸命に行っていましたが、その思いが報われないまま

肩を寄せ合って生きていた一家がセンターに収容されてしまいました。

センターから救護したこの時の私は22歳。

すでに何十頭もの子達を抱えた中で、その救護と、その後は…本当に苦難の連続でした。

その苦難から救ってくれた先輩たちに心から感謝しています!

ブチ君は埼玉県で活動をされています先輩にお世話になりました。

本当に本当に力になっていただきました。

1993年10月23日

「必ず会いに来るからね!」そう約束して東京でブチ君と別れました。

先輩にブック君と可愛い名前に改名してもらって、お世話をしていただき

翌年2月、先輩が里親さまとご縁を結んでくださり

1994年2月11日、ブック君に素敵な家族が出来ました。

ブック君と夢の再会

  

2004年7月18日 11年ぶりにブック君と再会!

  

再会を約束して別れた大切な家族たち。

遠く離れた場所…でも、必ず会いに行こう!と、ひたすら頑張った年月でした。

でも約束を果たせぬまま…お父さん犬のゴンちゃん、兄弟のベル君は天国へと旅立ちました。



別れてから11年後

やっと私はブック君と会うために東京へ飛ぶことが出来たのでした。



ブック君はペロペロま!

変わらぬペロペロ攻撃で私を歓迎してくれました!

変わらないね!ブック(*^_^*)

お爺ちゃんになっても、ブックはあの頃のままでした。



お歳を取ったブック君はレオ君と言うお友達と一緒に里親さまの元で幸せいっぱいに暮らしていました!

11年ぶりの再会

11年ぶりに一緒にお散歩にも行きました!

たくさんのお話を聞かせて頂きました!

里親さまは惜しみなく1日ブック君と過ごさせて下さいました。

本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

再会から3年半後

優しい里親さまの元で、とってもとっても、幸せいっぱいに過ごし



2008年1月17日 ブック君は天国へと旅立ちました。



この子達に生きる道を与えるために、幸せになれる日の為に、力を貸して下さいました方々に

一日も感謝しない日はありませんでした。

今までも!そして、これからも!

助けてくれた先輩方、力になって下さった方々、そして家族として迎えて下さり幸せを下さいました里親さま

本当に本当に有難うございました<m(__)m>





3月28日 お寺に到着したお兄ちゃん。

野犬時代の心の傷…

家族一番の怖がりさんだったお兄ちゃん…

殺処分と言う恐怖を目の前に

その心は、もっと深く、もっと大きく、決して誰にも開く事が出来ないかのように閉ざされ

壊す事の出来ない鍵を心にかけてしまったお兄ちゃんでした。

センターでも腰を抜かしてしまって動けなくなっていたお兄ちゃん。

迎えに行った時も彼は立ち上がることなく片隅に蹲り

鉄格子の中から出て来る事も出来ずにいました。

そんなお兄ちゃんを3匹の家族たちは懸命に護ろうと近付くセンターの方達に激しい威嚇を繰り返していました。

やっとやっと救い出したお兄ちゃん一家でした。

でもお兄ちゃんは…

1年間、どんな時もご飯を運んだ私の事すら、もう決して信じない…

そう決心したように頑なに人間を拒絶し続けました。

だからお兄ちゃんは我家の子として、その人生を歩みました。

ゆっくり…ゆっくり…心についた深い傷を癒しながら…。

  

お兄ちゃん、花束を胸に抱えて

    

大好物のオヤツ『ひよこ』と大好物だった『手羽先』

そしてお兄ちゃんにご支援いただいた馬肉をたっぷり持って

    

桜が満開の素敵な季節に



家族の待つ天国へと旅立ちました。



お兄ちゃん、また会える日まで、またね!



住み慣れた自宅に帰るお兄ちゃんと



これからはハウスでも一緒に居られるようにハウス用に分骨も♪

  

自宅に戻ったお兄ちゃんです。

自宅最後のワンとなったお兄ちゃんが居ないお家…。

それはとても淋しく切ない。

でも直ぐ近くに透明の天使がいる!



ハウスにやって来たお兄ちゃんに名札を作ってあげました!



お兄ちゃん、これからはいつだって一緒に居られるね!



天国の子達へご支援いただいていますご寄付で「苺の香りのお線香」を購入させて頂きました!



天国のみんなは、ご支援いただいてます素敵なロウソクと苺の甘い香りに包まれています!


大好きな「ひよこ」を添えて



仲間達の側に!



ココにはお兄ちゃんと共に暮らした子達が大勢居ます!

    

お兄ちゃんへ温かいメッセージを沢山いただきました!

皆様に愛されてお兄ちゃん、とっても幸せだったと思います。

本当に有難うございました!

  

届きましたお花代、お兄ちゃんに届けました(*^_^*)

    

お兄ちゃんを愛してくれました皆さま、本当にありがとうございました!





会員サイトでは引続き『天使になったお兄ちゃん』のこれまでを綴って参りますので

これからも「お兄ちゃん」を宜しくお願いします!

一般サイトでは日記や動物ハウスの様子を辿っていただけますと

老犬お兄ちゃんが登場していますので

ぜひお時間がある時には、覗いてあげて下さい!

私の元で暮らす多くの子達の事を知っていただけると嬉しいです!

みんな良い子達です!





〜お兄ちゃんより〜

ボクちんを見守って下さいまちた皆ちゃん、本当にありがとう


ボクは人間を再び信じることができ幸せでちた

ボクちんは大親友のコゼちゃんに時々、乗り移って我家をウロウロちています!

するとママさんから「お兄ちゃんでしょお!」と言われるのでしゅ。

どうしてバレルのか分からないのでちゅけど

コゼちゃんと合体しては我家を楽しんでいるボクちんです


そして最後に!

ボクちんの家族が幸せになれるように力を貸してくださった皆ちゃん

そして幸せにしてくれた里親の皆ちゃん

本当に本当にありがとうございまちた!




時々、お兄ちゃんと同じ行動をするようになったお兄ちゃんの大親友のコゼちゃんです(~_~;)

ボクちんはいつまでもお空からみんなのこと見守ってるヨ!



お兄ちゃんを愛して下さいました皆さま、本当に有難うございました<m(__)m>

愛されることを知らずに生きていたお兄ちゃんが

全国の皆さまに愛され天国へと旅立ちました。

たくさんの『愛』を知って天使になりました。

お兄ちゃんを愛し、応援して下さいました皆さまに心より御礼申しあげます<m(__)m>

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