2007年2月22日・23日
北九州エリアの様子

 2月22日 第1エリア
今日は本当は北九州エリアへ来る予定ではありませんでした。順ちゃんを救護したら急いで戻る予定だったのです。しかし捕獲されていたのが順ちゃんともなると第1エリアの様子がとても気になり真っ直ぐ帰路に着くことは出来ず、センターから第1エリアへと車を走らせました。
第1エリアはもぬけの殻。誰もいません。お母さんは?お母さんの子供達は?一生懸命に探しました。しかし見つけたのは捕獲器。いよいよ第1エリアの捕獲器による捕獲が始まっていたのでした。順ちゃんやふさこちゃんは捕獲器による捕獲だったのかな?だとしたら捕獲器に入った子は鳴き続けます。そうなればお母さんも身の危険を感じ、子供達を連れて移動した可能性が高いと思われます。何とか見つけなきゃ・・・ご飯の調達も出来ずにどこかで空腹に苦しんでいるはず・・・と捜索し続けましたが、どこにも居ませんでした。

捕獲器には「ここに居る犬を保護した際は動物愛護団体に譲渡しますのでいたずら等しないように」と管理センター様の張り紙がしてありました。可哀想と捕獲器を壊して犬達を野に放す人が多いからでしょう。この文字を犬たちが読む事が出来たら、理解する事ができたら、きっと入ってくれるのに…。これはやはり捕獲ではなく私達の元に送り出すための保護なのです。人に慣れていない噛み付いてくるような野犬ちゃん達を、管理センターの方達は私達を信じ、幸せになれる道があるのならと譲渡をして下さっています。私達はココに居る子達をガス室に送り込むことなく精一杯救護します。皆様にセンターの方々に心から感謝しています。みんながここに居る子達を助けるために力を出し合っています。どうか必ず全頭保護が実現できますように。この思いが犬達に届きますように。
始めてみる仔犬たち
捜索開始から数時間・・・遠くに仔犬の姿を発見。とても警戒心が強い様子。お腹を空かせていてこちらを気にはしているものの近付いては来ません。
ご飯を置いて車に乗って見守り続けました。そしてやっとご飯の所までやってきて飲み込むように犬缶を食べました。ガリガリに痩せています。体は一回り小さいですが、それは食事が無いからで、この子達はリコちゃんとチコちゃんとフォー君の兄妹ではないかと思います。ふさこちゃんの子供でしょう。兄妹達に続きお母さんも捕獲されてしまい生きる術が分からないようです。保護してあげなければ死んでしまう…何度も保護を試みました。
しかし私達が少しでも動くと凄いスピードで逃げて行きます…。どうすることも出来ません。ココの子達はお母さんや黒母ちゃん、お互いがお互いの子供の面倒を見合ったりして協力し合っているのですが、ふさこちゃんは警戒心が強く、子供を遠くで産みいつも隠しているので、取り残されてしまったようです。お母さんは自分の子供を連れて現地を離れている。この子達は食べる物も無く2匹で必死に生きていました。まだ2匹取り残されている子供がいる事を知って私はどうしていいのか分からず、ただ泣いていました。どうしても助けたい。このままでは交通事故死か餓死しかありません。何度頑張って保護を試みても保護が出来る状態ではない中、ただただ捕獲器に入ってくれることを願っていますが、捕獲器は1匹入ると閉まってしまうので、残された1匹はどうなる?寒い夜、温め合う兄妹もいなくなる。この2匹を無事に保護する事、そして第1エリアを離れているお母さんやその子供達を見つけること、いま必死で方法を考えています。
 2月22日 第2第3エリア
第2エリア・第3エリアと暗くなるまで捜索しました。しかし誰にも会えませんでした。チィちゃん2が命を落としていなければいいのですが、どこかで苦しんでいるかも知れないと思うと本当に心配で夜通し張り込みたいくらいでした。後ろ髪引かれる思いで現地を後にしました。

 2月23日 第1エリア
今日はシンさんが仕事で北九州方面へ行くとの事で、少し時間を割いて北九州エリアまで足を伸ばし捜索や仔犬たちの保護に行ってくれました。第1エリアはやはりもぬけの殻で取り残された2匹の仔犬だけがお腹を空かせてへたり込んでいたそうです。餌が仕掛けてある捕獲器にも入らず頑張って生き抜こうとしているようです。しかし、とても保護はできる状態ではなくご飯を沢山あげる事しか出来なかったとシンさんは落ち込んでいました。明日は明後日は…何か食べられるだろうか?この子たちを何とか救う方法はないだろうか?ふさこちゃんの子供は警戒心が強すぎてどうすることも出来ません。せめて手の届く距離にまで来てくれたら捕まえて離さないのに・・・。
 2月23日 第2第3エリア
今日はシンさんが前回初対面した新顔を除くいつものフゥ君・まゆちゃん2・チィちゃん2に会う事が出来ました!フゥ君も最初の頃に比べるとずいぶん痩せてしまいました。チィちゃん2は相変わらず遠くでご飯を待つだけ…絶対に近付いてきません。まゆちゃん2もこちらが少し動くとサッと逃げ出します。この3匹、どうやって保護すれば良いのか・・・。
チィちゃん2は本当に酷い状態になっていたそうです。ほとんど毛はなくなっていて丸ハゲになりボロボロの姿になっていたそうです。前回会った時に食欲が無かったのが気がかりでしたがご飯は食べてくれたそうです。それでも生きていくのは難しいと思うとチィちゃん2に会ってきたシンさんが言います。写真では分からない…本当に悲惨な状態なのだと…。シンさんのその落ち込んだ暗い声に、どうにか保護できないか頑張ってみようと問いかけましたが、まだまだ逃げる力はある、絶対に無理だと。やはり動けなくなるまで待つしかないのだろうか?動けなくなった時、この子の居場所が分かるだろうか?でも、だからと言って10メートルも離れた犬をどうやって保護すれば良いのでしょう・・・。

チィちゃん2は、その痒さに耐え切れず、土、草、アスファルトに顔面を擦り付け血を流しています・・・。

『チィちゃん2はもうチィちゃん2の面影すらない。まるで別の犬のような姿になってしまった…。元のきれいなチィちゃん2に戻してあげたい。痛みを、痒みを、取り除いてあげたい。宝くじが当たればこの土地ごと買い取ってこの子達を救ってやるのに・・・』シンさんの涙をこらえた声が重く重く私の胸に突き刺さりました。この子たちの保護がどんなに難しい物であっても、いつかはチャンスが来るはずです。絶対に絶対に諦めてはいけない。変わり果てていく姿を見るのは辛いけど、いつか必ずこの手の中に抱きしめてあげられる日が来る事を信じて頑張りたいと思います。今シンさんは落ち込むのはやめて、網で広大な罠を作って捕まえられないだろうかと使えそうな道具を探して回ったり、もっともっとこの子達を、不幸な動物たちを、救えるように稼ぎたいと仕事で走り回っています。でも動物たちの世話で思うように仕事も出来ない…いったい俺はどうしたらいいのだ(;_;)と又落ち込む有様でした(苦笑)。

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