2007年6月22日
北九州市動物管理センターより第2第3エリアの捕獲された疥癬の子
2頭を救護しました

捕獲を知ってから命の期限まで後3日!急ピッチで迎える準備を!
この部屋は、ストック&ロッカールームとして使っていました。私たちは仕事の途中や、仕事が終わって、仕事着のまま動物ハウスへ来たり、動物ハウスから仕事へ行ったりします。動物たちのお世話は毛だらけ泥だらけになるため仕事着のまま動物たちのお世話をすることが出来ません。そのため一部屋をロッカールームとして使用していました。そうする事で仕事着にも毛が付かずスムーズに仕事へ行けます。そして部屋の半分を皆様から頂く物資のストック場所として使用していました。と言うのも動物達が増え当初ストック場所にしてた場所は犬達が覚えてしまい、フードをあさりに行ったりと色々と悪戯をしたのでロッカールームの半分を保管庫にしたのです。まずは、この部屋にあった仕事着や仕事道具、皆様から頂いていますストック品を色々な場所へ点々と移動させ空にする所から始まりました。そして2階とはいえ逃走防止に窓に網を張る作業を開始!
食い破らないように網を打ちつけています。
他のワンちゃん達の姿を見て吠えたりしないように、みんなが見える方の窓には目隠しの板を打ち付けています。
網を引っ張って、網が壊れる可能性があるため網の上部をカーテンレールにワイヤーで固定していきました。
そして忙しい中、時間ばかりが流れ、迎える部屋の準備も中途半端なまま当日を迎えてしまったため、床にはビニールシートも敷いていない状態・・・。
6/22当日
動物管理センターより2人を救護
赤ちゃん猫を育てながら、ココへ来る前には希望ちゃんを里子に出したりと、バタバタな一日。それでも何とか時間ギリギリにセンターに到着しました。シンさんが引き取りを、そして私は事務所で引取りの手続きをして2人を無事に救護しました。再びお外の世界へ戻ってきた2人はお顔も見せてくれません(^_^;)センターの方にお話を聞きましたら、この子たちは捕獲器ではなく直接捕獲されたそうです。第2第3エリアの子達は仔犬でも捕獲器にはやはり入らないそうです。前回の一斉捕獲から逃げ切った3匹の子達の子供たちですから、捕獲器には入らないようにしっかりお母さん犬達が躾けているようです。警戒心が強いこの子たちをよく捕まえることが出来るもんだなぁ・・・と直接捕獲と聞いて驚きました。他の兄弟達は逃げてしまって、それ以来、姿がないとの事でした。
そのまま疥癬の治療のため動物病院へ
疥癬の治療のため高速に乗って急いで福岡へ!検査をしようにもバリケンからなかなか出てきてくれません。体のあちこちが禿げています。掻き毟って血が出ているところも沢山ありました。
抵抗は激しく威嚇はあるものの子供らしい威嚇で、咬み付くふりはしますが本当にはかみ付いてきませんでした。2人で奥の方で段々重ねになって、まるで当会の空君&花ちゃん兄妹の保護当時のような感じです。空君&花ちゃんと違って威嚇をするので検査や体重を量ったりするのは少々大変でした。2人とも栄養失調で骨と皮…体重は2人とも5.5キロほどでした。疥癬及びニキビダニ(アカラス)、そして細菌性皮膚炎がありました。まずは疥癬の注射を受けました。通常、疥癬の治療は週に1回お注射を打ちます。だいたい3回〜4回(3週間〜4週間)ほどで治りますが、酷い時は長い子で6週間(6回の注射)を必要としたこともあります。今回の治療法はまず動物ハウスに連れて帰る前に即効性のある注射をうち、疥癬の飲み薬に切り替えます。飲み薬も通常であれば体重量を週に1回続けていくのですが、他の子への感染を防ぐためお注射をした今晩から飲み薬を開始し、週に1回ではなく毎日飲み薬を与える形を取ることになりました。それだけの量の薬を与えても、お金が掛かるだけで、ワンちゃんたちに問題はないと確認済みです。薬を毎日投与すると言うこの治療法をする事によって感染を防ぐだけでなく、通常3週間から4週間かかる治療も短縮される予定です。疥癬の治療とニキビダニ(アカラス)の治療は同時に開始させました。細菌性皮膚炎については、疥癬が落ち着いてからとなります。それは細菌性の皮膚炎のお薬が疥癬(ダニ)を活発にさせてしまうため疥癬の治療に悪影響を及ぼすためです。
動物ハウスに到着後、購入しておいたビニールシートとご寄付で頂いておりましたビニールシート、レジャーシートを設置していきました。
部屋が暗くてスミマセン。実はこの部屋には電気を通していないのです。ストック&ロッカールームとして使用していました今までは懐中電灯でやってきました。写真は電気の無い天井です。
今回、この子たちを迎えるためキャンプ用の電気を購入しました。
ワンちゃん達は感染を防ぐためお散歩が出来ないので部屋で自由にさせておきます。ケージは使用しませんが、部屋からの飛び出し防止に部屋の入り口に設置しました。
押入れ部分も開放してレジャーシートを敷き、セメント入れで大きなトイレを設置。何を好むか分らないので半分は猫砂、半分はペットシートにしてみました。そしてこぼさない様に隅っこに水飲み場を!
疥癬(ダニ)が一発で死ぬ駆除剤です。ワンちゃんが舐めると中毒を起こします。もちろん人間は手袋をして使用するよう獣医さんに言われています。そのためワンちゃんの部屋での使用はしません。私たちが足につけて疥癬(ダニ)を運ばないようにするために準備いたしました。50頭以上に感染させたら治療費など大変なことになるためですが、普通なら疥癬だからといってココまでする必要なないです。疥癬はそんなに恐い病気ではありません。感染力は強いですが別々の空間でお世話すれば、そんなに神経質になる必要はないのです。誰にでも助けてあげられる病気です。疥癬になった子は放っておくと時間と共に酷くなり続けます。初期の段階から非常に痒がるのが特徴で、次第に全身の毛が抜け落ち、体は熱を持ち、痒みに苦しみます。そして、どんどん進行していくと皮膚が鎧状となって行き、皮膚呼吸ができなくなり治療が間に合わなければ死亡します。でも誰かがほんの少し頑張って治療をしてあげれば助かるのです。本当に誰にでも助けてあげられる病気なんです。もしも、万が一、他の子へ感染が起きたとしても誰も死ぬことはありません。治療をすれば良いのです。私たちは以前の動物ハウスでは別々のスペースを作ることは出来ませんでした。どの部屋にも動物達がいたのですから…。だからハウスが唐津に引っ越していなければ、この子たちを救うことは出来ませんでした。同じスペースでは感染することが分っていて全ての子を治療する時間・費用が出せるほど小頭数ではないからです。しかし何とか別のスペースで世話をする部屋を準備できたので、あとは感染を防ぐ努力です。疥癬の子と接触さえさせないで保護できれば感染を防げます。場所さえあれば神経質になるほどの病気ではありません。私たちが神経質になるのは、やはり多くの犬猫を抱えているからなんです。だから疥癬の子を「疥癬」だからと嫌わないで欲しい!手を差し伸べ治療をしてあげて欲しい!ある意味、疥癬なんて大したことはないのです。恐がらないで下さい!もちろん接触さえさせなければ100%感染を防げると言う訳ではありません。疥癬(ダニ)は肉眼では見ることが出来ないため、足や手について運ばれたり風に乗って運ばれたり…感染経路は多々あります。ですが痒がる仕草が見られたとき検査で疥癬が出なくても直ぐに治療すれば初期段階ですので直ぐに治ります。検査では疥癬が見つからない事も多いですから疥癬の子を保護している場合は感染の疑いが高いので検査結果に関わらず治療を開始して下さい。
廊下にレジャーシートを敷いて雑巾を設置。上記のダニ駆除剤スプレーを作りスリッパの裏に付いているかも知れないダニをココで駆除。ココから先にダニを進ませないためですが、万が一この先に行った場合の事を考え、その先には市販のダニスプレーを廊下に噴射して他の部屋に行かないよう厳重の注意を払っています。頭数が頭数ですので感染を防ぐ最大限の努力をしています。それでも感染した場合は全頭治療を受ける覚悟です。そうならないように頑張っています!
子犬用ドライと栄養障害を起こしているためお肉と煮干を炊いてあげました。それに疥癬の飲み薬を混ぜ混ぜ!
薬と一緒に子犬用離乳食を混ぜています。薬を食べないニキビダニ(アカラス)の治療中の花ちゃんもこの粉ミルクを混ぜると食べてくれるので、薬の味をごまかすためと栄養価をあげるためです!
ご飯を持っていっても食べたそうにはしていますが全く出てきません。
そっとしておけば出てくるでしょう。でも、人間が居なくならなければハウスからも出てこない、ご飯も食べない、となると、いつまで経っても人間不信が直りません。疥癬だからと心のケアを怠っていると、それに慣れてしまい、野犬の性格のまま育ってしまいます。まずは私たちは危害を加えないこと、ここは安全な場所であることを教え安心させてあげなければなりません。正面から引っ張り出すと、ますます怯えるのでバリケンをひっくり返して出しました。可哀想に見えるかも知れませんがポテッと出て来れて引っ張り出すより恐がりませんよ!
バリケンから出てきても何も悪いことが起こらないと分るとご飯をパクパク食べ始めました!
ご飯を全部食べてお水の場所を教えてあげると喜んで飲んでいました!
その後は撫で撫でしようとするとトイレに逃げ込んで段々重ねに(^_^;)
その後、トイレではなく水飲み場でトイレを始めため、水飲み場を変更してトイレをした場所にペットシートを敷きました。とりあえずトイレをする場所を決めてくれるといいのですが。どうなることでしょう???
恐くないからね〜♪と撫で撫でタイム!触られてとてもドキドキしていました。
部屋を出るときはスリッパの裏に付いているかも知れない疥癬(ダニ)を駆除!
廊下にはダニスプレー!感染予防を徹底しています。
感染予防、心のケア、毎日毎日、この繰り返しです。
ご飯を食べ終わると急いでハウスに戻る2人。皮膚の状態はかなり悪く、あちこち血が滲んでいます。
疥癬だからと接しないで居る訳にはいきません。皆と同じようにおやつタイムもちゃんとあります。日に何度も何度もお世話に行きます。少しずつ、安全であることが分ってきたようで、自分達からおやつを受け取りにバリケンから上半身を出せるようになりました♪もうバリケンを引っ繰り返さなくても大丈夫です♪
食欲旺盛!食べる食べる・・・よく食べるデス(*^_^*)
日に日に成長。おやつを手から受け取れました♪おやつを受け取ってくれた子の名前はコッペ君と名付けました!もう1匹の女の子の方はまだ恐くて手から受け取ることが出来ないでいます。ティアラちゃんと名付けました!
毎日、ご飯の時間を待ちわびている2人です(*^。^*)朝晩しっかり食べています!
幼犬用ガムを貰いに来て食べているコッペ君!受け取りに来る勇気が出ないティアラちゃん。
おやつの時間も同じです…。コッペ君は時間はかかりますが必ず勇気を出して貰いに来ます。でもティアラちゃんの方はどうしても勇気が出ません。取りに来れないティアラちゃんのため今のところ投げてあげています。早く勇気が出るといいな〜♪作ったトイレも使ってはくれていますが、今のところ、部屋中にトイレをしている2人で毎回掃除が大変です(^_^;)トイレを覚えてくれるといいんだけど・・・まだまだかな・・・。
この子たちの里親さんになって下さる方を募集しています!疥癬の治療を引き継いで下さる方、また疥癬完治後、家族として迎えてあげたいと思ってくださる方、どうかこの子たちに幸せな日々を過ごさせてあげて下さい。宜しくお願い致します。

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