2008年8月23日
北九州エリアの様子

〜スミレちゃんの子供を3頭救護〜


会員の田上さんが北九州活動を頑張ってくれています!
〜田上さんからのご報告です〜
21日、ハウスに行って支援者の小畑さまからのご支援品「まこも」を受け取らせていただきました。ありがとうございます(*^_^*)疥癬のお薬とまこもできっとふくちゃんの状態も良くなっていくことと思います。本当にありがとうございます!経過もちゃんとお伝えしていきますので楽しみに待っていて下さいね。

そしておにぎりさまからもまたご支援金を・・・。本当に本当にありがとうございます!北九州まで行って捜索し、やっと会えた子達が食べてくれないと本当に辛いので美味しいご飯を持っていってあげたい!いつもそう思っています。今度もご馳走が準備出来るので私もすごく嬉しいです。みんなもきっと大喜びです!いつもいつも応援してくださって本当にありがとうございますm(__)m
しかし・・・ハウスから出て来た大谷さんに会ってびっくりでした・・・。ガリガリです・・・。画像だけ見ると「スリムだな〜」くらいですが、実際はそれはそれは・・・可哀想なくらい痩せてしまってて・・・。きっとご飯もまともに食べられていない事もあると思うのですが、睡眠が取れていない事、ここ最近はロイ君の逃走など心配ごとも続きその上散歩中の怪我・・・。疲労もピークを超えに超えている状態なんだと思います。薄い身体の大谷さんを見て涙が出そうでした・・・。大谷さんがまたダウンしないように私も頑張らなくては!そう改めて思いました。

そんな風に思っているときハウスの里道でなんと!!四葉のクローバーを見つけました!!ピンボケして見にくいと思いますが、ちゃんと葉っぱは4枚ありました。きっと「大丈夫だよ」そう気付かせてもらったのだと思います。
雨続き(唐津は更に雷続き)でしたが、今日は晴れてお散歩も行けたので今日来てヨカッタです!
今日はおにぎり様からのご支援金でたっぷり唐揚げにパンを購入させていただきました。本当にありがとうございます♪半分は来週用に残しています。大切に遣わせていただきますネ。
まこもも持って来ていますので今日は早くふくちゃんに会いたい!そう思っているといつもの場所からふくちゃんが出て来てくれました!
まこもも入れすぎ?というくらい入れてしまいましたが、ふくちゃんあっという間にかぶりついてくれて写真に収めることが出来ませんでした・・・m(__)mでもちゃんと食べてくれたのでホッと一安心です。
今日もたくさん食べてくれています。一時期は食欲もなく体調もすぐれない感じで心配でしたがお薬が効いてきているのでしょうか。しっかり食べてくれるとホッとします。
パンも隠しに走っていますがいつものところに埋めたあと、更にパンをあげてみると道路を渡り反対方向に。私もパンの袋を抱えて追いかけました。ふくちゃんもたくさんパンをあちこちに埋めていましたが、私がこうやって後をつけるのも嫌がらずに居てくれたので少し馴れてくれてるのだと思います。保護出来るまでお薬とまこもで少しでもいい状態になっていればいいな・・・(ハウスっ子に疥癬が移ってしまわないように・・・)。
新第1エリアには誰も居ませんでしたが、第5エリアでようやくサラダ君兄妹に会えました!仔犬ちゃんも居ます(といってももうかなり大きくなりました)。二匹も私だと気付き走ってやって来てくれました。しかしもちろんかなりの距離を置いていなければ近寄ってくれませんが・・・。

二匹は更にガリガリになっていました。今までどこに居たんだろう?きっとエサを探して色々なところを彷徨っていたのでしょう。今日この子達に会えてよかったです。ご支援で購入させていただいた唐揚げ、喜んでかぶりついています!
サラダ君の兄妹はワンワンずっと吠えています。吠えながら食べている状態です。怖がり度はこのエリアで一番かもしれません。タッパに顔を突っ込むのも一瞬しか出来ないので(私が怖いのでしょう)私は車に乗り込み様子を見守りました。
それからスミレちゃんのところに行ってみました。今日は仔犬ちゃん達の事を確認しなければ・・・。スミレちゃんはすぐに出て来てくれて唐揚げをパクパク。しかしふとスミレちゃんのおうちに目をやると・・・モゾモゾ動いているものが・・・。仔犬ちゃん達!!急いで会社の中に入り仔犬ちゃん達を確認。最初は3匹しか確認できず、会社の方に声を掛け聞いてみました。あともう1匹居るはずだということだったのでウロウロ探していたら茂みに隠れていました。しかし全部で4匹ですか?の問いには「いや〜5匹おったけどいつの間にかおらんごとなってしまった」と平然と答えています。しかもこの子達はここで飼うのですか?里親さんが決まっているのですか?という質問にも「さ〜・・・」という返事。この子達はスミレちゃんのように首輪をつけてもらうことも小屋を置いてもらえる事もなく、野良犬となり、表に出てくるようになったら捕獲に合い殺処分となることでしょう…。

3匹はふさふさでそのうちの2匹は里子に出たコロンちゃん(メロンちゃん)に似ています。1匹はスミレちゃんというより民ちゃんに似てるかな?お顔は真っ黒です。もう1匹だけ短毛でお目々パッチリ!お顔が真っ黒の子が一番ビビリかな?この子が茂みに隠れていた子です。でもみんな人馴れしています。
仔犬ちゃん達も「お母さ〜ん」とスミレちゃんの後を追ったりじゃれ付いています。スミレちゃんもとってもかわいがっている様子・・・。こんな状態で引き離してしまったら私は嫌われてしまうだろうか・・・。
その後大谷さんに仔犬ちゃん達を見つけた、と連絡を入れ今後どうするかの話しをしました。大谷さんからは全員の保護をする、と言われました。しかし会社の人にどう言おうか?このまま仔犬達を保護するだけでは終わりも来ない。毅然とした態度で今回は保護をするがきちんと避妊手術をさせてから、と約束させるか・・・など色々案を練りますが相手がどう出るか分からないし・・・と決められません。電話で話し込んでいる最中に私の車の横を1匹の犬が通り過ぎて行きました。スミレママです!大谷さんにスミレママを見付けたことを告げ、保護は来週にして飼い主にどう伝えるかはその間に考えよう、ということにして電話を切りスミレママにご飯を上げました。

するとすぐにお父さんもやって来ました!お腹ペコペコのみんなはすごい勢いで食べています。
続いて民ちゃん、スミレちゃんもやって来てくれました!
お父さんは満腹になったのか離れてゴロ〜ンとし始めましたが、またもや民ちゃんがその後を追っています。私は後片付けをしていたのですが突然スミレちゃんの「キャン!!」という声が・・・。近寄ってみるとスミレちゃんが降参のポーズをとっていました。尻尾も丸め込んでいます。やっぱり民ちゃんの発情期なのでしょうか。まだ8月なのにここ最近は涼しかったので秋の気配という感じで発情が早まっているのかも?

民ちゃんの側に行ってみるとお腹さすって〜とゴロンとしだして今日は私の顔もペロペロと舐めてくれました。民ちゃんは私のことをだいぶん信用してくれているのですね。

みんなにご飯をあげている途中で電話がずっと鳴っていました。みると大谷さんから。急いで掛けなおしてみると、シンさんと話し合った結果、出来れば今日保護をして欲しい、と。このエリアではいつ事故に遭うか、いつ捕獲に遭うかわからない・・・。特にもうヨチヨチ歩きまわれるくらいになっているのなら尚更心配だと。一応の飼い主さんは前の子達が捕獲された時でも見放した人。飼っているのか尋ねた際も「野良です」と答える人にこの子達の命を守れる筈がない・・・。

私はそう言われて・・・実は一瞬迷いました。既に福岡を出て7時間。ちょっとキツイ〜と思いながらファイトで、すぐに今から保護するので待っていてね、と電話を切りスミレちゃんのところに急ぎました。
スミレちゃんのところではスミレちゃんしか居ません・・・。まだ小さな子達だからもしかして会社の中に入れているのだろうか?しかししばらく軒下を確認したり茂みをかき分けたりと探していたらチョロ・・・チョロ・・・と1匹ずつ姿を現してくれました!!みんなプレハブの軒下にもぐっていたのです。

全員スミレちゃんのおっぱいに吸い付きミルクを飲んでいます。
まだおっぱいを飲んでいるこの子達を本当に引き離していいのだろうか・・・?私は一人で不安になりながら大谷さんに確認の電話を入れました。大きさからいってももう離乳をさせて大丈夫だから、と教えてもらい決心をして捕まえることにしました。

スミレちゃんの目の前で全員を捕まえなければならない・・・。1匹、2匹と抱え込んでる姿を見てスミレちゃんが私の腕を噛んでいます。それは噛み付く、ということではなく「止めて!連れてかないで!」と制止するように・・・。信じていた私がこんな行動をとることにスミレちゃんも驚き、悲しんでいるのだと思うと私も涙が溢れてきます・・・。ごめんね・・・ごめんね・・・。この子達の幸せのためだから・・・そう伝えながら仔犬を抱きかかえて車に乗せました。しかし4匹は抱きかかえられず、どうしても1匹落としてしまいます。キャリーも2匹いれるといっぱいいっぱいです。とりあえず3匹を車に乗せ残る1匹を保護しなければ!と急いでスミレちゃんのおうちに入るとあと1匹の姿がもうないのです。

軒下か?と覗いているのですが真っ暗で見えにくく、私もすごく焦って来ていました。スミレちゃんは私の方を振り返りながら茂みに向かっています。ここではなく茂みに居るのか?と思いスミレちゃんの後を追いますが茂みの中に居る感じはありません。

もう一度軒下を確認しよう!と目を凝らしてみると・・・居ました!しかし全然手の届かないところ・・・。スミレちゃんは軒下に居ることが分かっていて、その子が連れていかれないように私を茂みに誘導していたのだと思います。心が張り裂けそうです・・・。でも嫌われても仕方ない。子供達の命を守らなければ・・・そう大谷さんに言ってもらいなんとか頑張りました。しかしどうやっても軒下から出ては来てくれません。今日は諦めるしかありませんでした。

とりあえず3匹を保護し、今からハウスに向かうことを大谷さんに伝え車を出しました。スミレちゃんは私に近づくことなく背を向けていました・・・。スミレちゃん、本当にごめんね・・・。
車を出す前にスミレちゃんの頭を撫でましたが、哀しそうな顔をするだけで甘えてくることはありませんでした。来週はまたもう1匹の子の保護をしなければなりません。2週続けてスミレちゃんに哀しい思いをさせるのかと思うといたたまれませんが・・・。でも全ては「この子達の幸せを守るため!」そう思い頑張るしかないのです。

車に乗せるとキュ〜ンキュ〜ンと泣きっぱなしでしたが、しばらくして落ち着いてくると笑顔も出始めました。茶色の子はキャリーから出てくることもなく一番にク〜ク〜寝ちゃってます!白い子もちょっと不安な顔もありましたがモゾモゾしていたかと思うとあっという間にzzz。お顔が真っ黒の子だけは心配そうな顔でキュンキュン・・・鳴いていました。

しかしここからは先は色々な思いはおいといて、事故に遭わないようにしっかりと目を開けて運転しなければなりません!ハウスまでの道のりも一生懸命自分で自分を励ましながら車を走らせました。

そして無事にハウス到着。大谷さんもシンさんも暖かく迎えてくれました。どんなに大変な状況でもいっきに仔犬達が3匹、来週には4匹と増えて大変になっても「命が助かってよかった」自分達の大変さなどひと言も言わずにこの子達を見守るお二人に私は・・・言葉がありません。

どうしてこんなにすごい人が居るのだろう・・・。今まで(今でも)自分中心にしか考えていない私が大谷さん、シンさんと出会った意味・・・。自己嫌悪を感じるだけではないはず。そう信じて、自分を信じることの大切さをいま味わっています(なかなか難しいですが・・・)。

大谷さん、シンさん、今日はいつもよりますます大変だと思うけど、お世話よろしくお願いします!
ハウスにやって来た3頭の子犬ちゃん達の様子はこちら

スミレちゃんの子供達を保護し、残る1匹のことも心配は残りますが・・・実は先週から私の頭にはもう一つ心配ごとがありました。

それは21日にハウスを訪れた際、第1エリアから少し離れた地域でまた捕獲された子が居たのですが、
ちょっと距離があるしエリアの子達ではないだろう、と思い大谷さんに報告しました。

しかし大谷さんは「犬達の行動範囲は広い。その距離ならフゥ君達もいけるかもしれない」と・・・。

そう言われて私も「もしかしてフゥ君かも・・・」その思いが消えませんでした。

大谷さんも捕獲された子のことを思いずっと心配していました。

日を追うごとに私の中で「フゥ君かも」「サンカク君かも?」「ハンちゃんだったら?」と
頭の中はグルグルそのことばかりが浮かんできます。

思い切ってセンターさんに電話を入れてみますが行って見なければどの子かわからない・・・と。

私は管理センターに行ったことはありません。

想像しただけで足がすくみます・・・。

でも・・・フゥ君達かもしれない・・・後で後悔するよりも勇気を出して行って見よう!
決心をして25日、北九州管理センターを訪れました。

一昨日スミレちゃんの子供達を保護しハウスに行った時は13時間ほぼノンストップで車の運転をしていた私は
今日はセンターへは電車で行くことにしました。

一昨日ハウスから帰る際、大谷さんが私に封筒を差し出しました。「ごめんね・・・少ないけど交通費だから受け取って」と・・・。

大谷さんがどれだけ苦労しているか実際に見ている私はとても受け取れない!そう言いましたが、
大谷さんは私のキャリーの中に封筒を入れて「ちゃんと受け取ってくれないと困るから」と。

きっと私に遠慮している?というか私が気遣わせる態度で居たのだと申し訳ない思いでいっぱいになりました。

自分の行動には自分で責任を持っていきたい!
私が活動に参加させてもらったのも自分の意思です。誰にも強制されたわけではありません。
だけど信頼関係は言葉ではなく、行動で伝わっていくものだと、言い訳はせずに行動で示していきたい、とそう反省しています。

封筒の中には1万円も入っていました。
大谷さん、ごめんね。たくさん気遣わせてしまって・・・。でも今日はこのお金で管理センターに向かわせていただきますね。

電車に乗っていても初めて訪れるセンターのことを想像して涙がどんどん溢れてきます。

救えない子達を目にしなければならない・・・。

フゥ君達でなかったら?フゥ君達だったら?それによって救うかどうか決めるのは正しいことなのか?

どうせ助けてあげられないから(あげようとしていない)・・・

大変なことに首を突っ込まなくても・・・

そんなことしてたらお金がかかって自分が大変になる・・・

そもそも私自身はそんなことしていないし・・・

現実を知ってもどうしようも出来ないから・・・

誰か助けてあげればいいのに・・・

以前の私はそんな風に思っていました。
今もそういう気持ちもあります。
だから人を責める・・・それは出来ないのです。

管理センターは思っていたよりも静かなところでした。館内には私一人しか訪問者は居ません。

大谷さんをご存知の方が私を案内してくれました。
私は・・・収容されている子達の棟に足を踏み入れましたが、足が震え、涙が溢れ・・・もうどうしていいか分かりませんでした。

ここでどう伝えていいかわからないほどです・・・。

不安に怯えている子達が私を見ています・・・。

センターの方がフゥ君達かもしれない子を教えてくれました。

フゥ君達ではありませんでした。

しかしいったん外に出て、私はちゃんと見たのか?もう顔も思いだせないほどでした。

そして管理センターの方にもう一回案内をお願いして、もう一度その子に会いました・・・。

もうその子の命は今はありません・・・。

その後、センターの方は色々な話しを私にしてくださいました。
センターの方も不幸な子達を少しでも助けてあげたい!と譲渡の道を必死で考えてくださっています。
そのような試みを現在なされているということでした。

ここに足を運ぶのはとても勇気が要ります。

でも勇気を出さなければならない場所ではなく、暖かい施設にするのも私達の気持ち、行動で可能なのです。

今はそれ以上のことを皆さまにお伝え出来るほど私は冷静でもなければ、恥ずかしいことに行動もまだまだ伴っていません。

でも不幸な動物達が居なくなるように、いま自分に出来ること、必死でやっていきたい!
そう思っています。

館内を出て表に出てみるとそこには譲渡犬である仔犬達が無邪気に遊んでいました。
かわいい子達です。
みんな幸せになって欲しいと心から思いました。

そして管理棟の中にいる子達も殺処分ではなく、ケアが出来て譲渡犬になれるような施設になるよう、

ここで働く職員の方も苦しい思いをしないでいいような施設に出来るよう、

(自分も含めて)私達一人ひとりの意識を高めていけるよう行動していきたいです。


管理センター・・・何度行っても「慣れる」なんて事はありません。

そこには必ず、いつだって必ず、殺処分になる動物達がいるのですから・・・。

そして必ず見捨てなければならない現実に打ちのめされるのです。

私がどんなに精一杯の力で頑張っても私の力は小さい。

私が一生を掛けて救っても…それは本当に極々僅かな子たちだけ。

救えなかった多くの子たち

その子達の悲しい顔、悲しい声、生きている温もり、悲しい瞳、私は一生忘れる事はできません。

見捨てた命たち・・・その全てを背負って私は生きています。

センターに行くたびに背負う命の数は増え続けます。

全ての子を救えるのなら私は喜んで毎日行きます。でもそこにいる全ての子を救うことは出来るはずもありません。

管理センターの子達の救助を始めて20年近くが経ちます。

今でも足が震えます。心臓が壊れそうになります。

そして無力さに打ちのめされます。

それでも活動をやめようと思ったことは一度もありません。

何もかも捧げても私に救える命があるのなら私は自分の心と戦い続けたいと思います。

自分の力、限界の壁を乗り越えていく努力をし続けたいと思います。

辛くても辛くても、悲しくても悲しくても、苦しくても苦しくても、私の手を待つ子がいる限り

その手を握ってあげたい。

私の命がある限り守ってあげたい。

物言えぬこの子たちの心の叫びをしっかり胸に受け止め、

伝える言葉を持っている私が代わりに伝えていってあげたい。

この子達の苦しみと哀しみと…恐怖と絶望を・・・。

田上さんの言葉にある

フゥ君達でなかったら?フゥ君達だったら?それによって救うかどうか決めるのは正しいことなのか?

これはいつだって直面する思いです。誰しもがぶつかる思いだと思います。

センターに行く度に、連れて帰ってあげられない命たちを横に、その思いは必ず襲ってきます。

田上さんが思ったように多くの方が感じる事ではないかと思います。

でも私はこう思っています。

何が正しいのか?ではなく、その子に出逢った人自身が何をしてあげられるのかだと。

救える時もある。救えない時もある。

救えても、救えなくても、どちらも同じように自分の心が救われる事はありません。

そこに数多くの命がある以上…。

救護を決めた子をセンターに迎えに行った際

その子以外にも檻の中には刻一刻と殺処分が迫っている子達が大勢居ます。

その檻の中にその子(救護する子)を捕まえに入ると

人に慣れている子たちが「助けて!助けて!」とそばえついて来ます・・・。

私達の力では救ってあげる事が出来ない命たちです。

その子達のそばえついて来る手の温もりを感じながら

頭がおかしくなりそうになりながら

「ごめんね…ごめんね…ごめんね…」と心の中で何回も何十回も何百回も謝ります。

この時こそ、自分達の無力さを痛感します。

ただ、その現実から目を伏せない事、通り過ぎない事、それが大切だと思っています。

精一杯頑張っても救える命は僅かです。

その中で、なぜその子なのか?

それは私自身は、自分自身が出逢ってしまった子だからです。

収容される前に野犬として出逢う子もいれば、

収容されセンターにその子がいた事でセンターで出会う子もいます。

出会いは様々ですが出逢った場所がどこであれ、それがその子との出会いであり縁なんだと思います。

余力が無くても、出逢ってしまった北九州エリアの子達の救助をしなくてはいけない!と分かっていても

自分の心にストップが掛けられず…

センターに行った際に、その時たまたま収容されていたブル君を救ったり、マリンちゃんを救ったり、ロイ君を救ったり、

リボンちゃんを救ったり…

その時に出来る精一杯をすること!それだけだと思います。

ブル君との縁は

北九州エリアにて子犬が3頭捕獲された連絡を受け救護する事になりましたが

その中の1頭がセンターにて死亡。

救護は2匹になりました。

2匹をセンターに迎えに行った時、
その時にまったく別の場所で捕獲され殺処分が決まっていたブル君がそこにいたのです。

亡くなったその子の代わりにと救った命でした。

センターに救護に行く日が違えば助けてあげられる子も違っていたでしょう。

その子が亡くなっていなければブル君が救われることも無かったでしょう。

全てが縁なのです。

マリンちゃんとの縁は

他の子の救護にセンターに行った際、殺処分が決まった3頭の子犬とマリンがそこに居たのです。

「私たちもココから出して」そう呼び止める子達の姿にその時の4頭全員の救護を決めました。

その時に殺処分が決まっていたのがトッページの3兄妹とマリンです。

ロイ君との縁は

第1エリアの子の救護に行った際、

捕獲された第1エリアの子3匹と一緒になって、4匹でセンターの片隅で丸くなっていたのを見たからです。

その中から1匹だけ救わない道を選ぶ事はできなかったからでした。

もしも第1エリアの子と一緒に片隅で丸くなっていなかったら救っていなかった命でした。

ロイ君が第1エリアの子と一緒にいた・・・それがロイ君との縁なのです。

リボンちゃんとの縁は

逃走中のゆいちゃんが捕獲され収容されたかも知れないという連絡を受け確認へ行きました。

ゆいちゃんは収容されていなかったけど

それでも収容所で出会った子達に何かして上げることは出来ないか?

その中から、せめて1頭だけでも救ってあげることは出来ないか?

その時、収容所に入っていた子達が処分になる寸前まで自問自答を繰り返し

私達が出した答えが

もっとも里子に出せる可能性が高い子であれば助ける事が出来るのではないか…と言うことでした。

それが、まさか妊娠しているとは思いもしなかったリボンちゃんだったのです。

私が手掛けてきた子達全員が縁あって私と出会った子達です。

トップページでも記している様に

私はセンターに収容されている子、全員を救うことは出来ません。それが出来る人など存在しないでしょう…。

だから自分に出来る事

縁あって出逢った子達を精一杯の力で助けてあげたいと思っています。

子犬2匹分の保護ができるスペースが出来てセンターに救護の連絡をいれると

「いま4頭いますよ」と言われる。

2頭しか救えない状況でも選ぶなんて出来ず無理をしても限界を超えていても4頭救護することになります。

それが、その子達との縁なんだと思います。

スペースが出来た時、殺処分になる子を救護しますが

明日になればまた明日、殺処分になる子がいるんです。

今、私達には余力も無いしハウスにスペースも無い・・・それでもフゥ君だったら救う!

そこにある私の思いは

何度も何度もあの子に「必ずいつの日か助けてあげる!幸せにしてあげる!」と約束したからです…。

あの子と交した約束を守りたい!あの子を裏切りたくない!

それが、何度も会い、何度もご飯をあげ、そして約束を交した子への私の責任だと思っています。

その中でも私達が差し伸べられる手は、どんな子にも、精一杯、差し伸べていきたい。

苦しいです・・・センターに行くのは・・・そこにはそこでの出会いがあるのだから・・・。

そこにいる子達は確実に死に向かっているのですから・・・。

私達は、いつも、そんな現実と、そして自分の心と、戦い続けながら頑張っています。

縁あって出逢った子達を1匹でも多く救ってあげるために!

抱えきれない沢山の思いを胸に、悲しみを胸に、救える命の為に、頑張っています!

現実はとても辛いけど

でもその自分の気持ちからも、救ってあげる事が出来なかった命からも、逃げずに頑張っています!

1匹救うと言う事は、その子の人生に責任を持たねばなりません。

里子に出せる保障など、どこにもないのです。

救う時は一生自分自身が面倒を見る覚悟が必要です。

半年たっても里親さんが決まらないから…と捨てる事は出来ないのです。

救った以上は私には大きな責任があります。

救うと言う事は私はその子の一生を背負うのです。子犬1匹でもそれは簡単な事ではありません。

救う決断も、救わない決断も、どんなに苦しい事か

その思いだけは言葉に表すことができません。

その思いを表現する言葉が見つからないのです。

ただこれからも全国の支援者の皆さまと力を合わせて苦しんでいる動物達を守っていってあげたいと思っています。

皆さまがいたからハウスの子達は生きています!笑っています!

精一杯の力で頑張ってまいりますので、どうか今後とも温かいお力添えを宜しくお願い致します<m(__)m>

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