2006年5月7日
北九州第2エリアのななちゃんが捨てられていました。

どうかワンちゃんたちを捨てないで下さい。
人間の身勝手な都合で犬達を苦しめないで!!

第2エリアに到着してすぐに目を疑うような光景を目にしました。なぜなら幸せに暮らしているはずのななちゃんが…捨てられていたのです。写真手前(左)の首輪を付けている子がななちゃんです。この子は私たちが第2エリアの子達と出会う前から、この子達の里親探しなどを手掛けておられた北九州市の方が半年前に保護された子です。その方の元から一度は里子に出たとのことでしたが出戻ってきたと言うことでした。しかしその後、その方がななちゃんは責任を持ってご自身で飼われると聞いておりましたので安心しておりました。室内飼いされて幸せに暮らしているはずのななちゃんが何故?保護活動が進んで頭数が激減した第2エリアには、分裂して第3エリアで生活していた犬たち(第3エリア一斉捕獲で捕獲を免れた子達)が現在戻ってきています。その子達とななちゃんはケンカを繰り広げていました。それに第2エリアはダニ疥癬が蔓延しており第3エリアから現在合流している子もダニ疥癬に感染してきております。ななちゃんは、ななちゃんに寄せられた寄付金で治療をしてもらい、避妊手術やワクチン接種、狂犬予防・飼主登録を受け、半年もの間、安心して眠れる場所で毎日ご飯やお水がある生活をしてきました。それが、またもや人間に裏切られ、苦しい生活を強いられてきた第2エリアに捨てられていったのです。この場所に置き去りにされたななちゃんの気持ちを思うと涙がこぼれました。今まで自分を大事にしてくれた人が自分を捨てて車で立ち去っていく光景をどんな思いで見つめていたのでしょう?もしかしたら車の後を追ったかも知れません。こうして何度も人間に裏切られていくと人間を信じることが出来なくなってしまいます。いつもいつも「いつか自分は捨てられるかも知れないのだ」そんな不安を抱えたまま生きていくのです。中途半端な保護などするべきではありません。無責任なことは絶対にしてはいけないのです。少なくとも私はそう思っています。保護をしてその子の人生を変えたのなら最後まで責任を持つべきではないでしょうか。このまま飢えとダニ疥癬に又苦しませる訳にはいかない、ななを保護しなければと、警戒気味のななの様子を見ていると、車に乗った一人の男性も同じようにななを見ていました。間違いなくその男性の視線はななを見ていました。もしかしたらななを保護していた方のご主人かもしれない…ななはたった今捨てられたのかも?そう思い声を掛けてみました。すると本当にその方のご主人でした。思わず「どうしてななを捨てたんですか?こんなことしちゃいけませんよ。何故ですか?」と冷静ではいられませんでした。ですが、落ち着いて話を聞かなければと思い事情を聞きました。本日の夜明けにななを保護していた奥様が、ここへななを捨てに来たとのこと。ご主人は心配でななの様子を見に来ていたそうです。どうか連れて帰って欲しいと言いましたが、自分は週末しか面倒をみないからいいのだけど奥さんが無理だろうと言うのです。聞けば、ペット可ではないので苦情も出ていてどうすることも出来ないから連れては帰れないと・・・。このまま放置して帰れば、この子は絶対に捕まらなくなる…そう確信できるので、私たちが引き取るので1週間だけでも預かって欲しい…そうお願いしました。ご主人は私たちの話を真剣に聞いて下さり、「奥さんに言ってみるから」とご自分の車に乗り、しばらく奥様と電話で話をされていました。そして1週間だけならと言う約束でななを一度連れて帰ってもらえることになりました。私たちにもし保護する場所があるのなら、私たちが連れて帰ってあげたかったのですが…。1週間の一時預かりのOKを頂き、ななちゃんを保護しようとしましたが、捨てられて半日、ななちゃんは警戒していてご飯をあげても近寄ってきません・・・。半年、一緒に過ごしたご主人なら捕まえることが出来るだろうと思ってご主人にお願いしましたが、やはり無理でした。
保護しようと思っても逃げるななちゃん。他のみんなも警戒し始めました。
車の中ではマリンが吠えているので犬達も警戒心がUP。
同行していたK氏がマリンの面倒を申し出て下さいましたので車に乗ってマリンを吠えないようにあやしてもらいました。その間に私たちはななちゃんの保護活動です。
ようやくチャンスが訪れ、ななちゃんを保護することが出来ました。首輪を付けていなかったら、とても保護は出来なかったでしょう。みんなから少し離れた場所で私が捕まえたのですが、かなり咬み付かれてしまい首輪を掴んで持っていられない状況になったので、急遽マリンちゃんのリードで繋いで確保。ななちゃんもとても怯えていました。捕まえた私から逃げようと咬み付いてくるななをご主人が駆けつけて来てくださり、ななを押さえ込み「なな・なな」と落ち着かせて下さり、ようやく咬み付くのを止めてくれたななちゃん。この子にこんな思いをさせることになるなんて…本当に悲しくて耐えられない思いでした。写真右が私で左がななをなだめてくれているご主人です。
連れて帰っていただくため、今となれば元飼主の車にななちゃんを乗せました。鑑札を持っているのに、首輪に鑑札は付けられていませんでした。捕獲が入っている地域に置き去りにして、もし捕獲されても、ななちゃんを迎えにいく気持ちすらなかったのでしょう・・・。ななちゃんのために、その方に寄付を寄せられた方たちは、こんな結末をどう思うでしょうか?ご主人の話によると奥様もその事を気にしておられたと言っておりましたが、結果としてはやはり捨てられたのです。私はこの半年間の愛情すら疑ってしまいます。こんな薄っぺらな愛情の中で幸せだったのだろうかと疑問に思いました。私には捨てる人の気持ちを理解することは出来ません。ただ唯一、あと1週間だけの約束でも一時預かりをして頂けた事には心から感謝しています。どんなに救いたくても私達にはもう連れてかえる場所がないのが現実だから・・・。
ななちゃんの保護が終わって、第2エリアのみんなにご飯をあげました。
ななちゃんを捕まえたときの鳴き声を聞いてかなり警戒していましたが、ご飯を貰いにチョロチョロ出てきてくれました。数え切れないほど何十頭もの犬達がいた第2第3エリア…あと6頭です。何とか救ってあげたい「命」です。保護できる余裕が出来るまで頑張って生きていて欲しい…そう願うばかりです。


ななちゃんに咬まれた傷がひどかったため
福岡に戻って夜間救急病院へ
犬に咬まれるのには慣れてる私でも今回は異様な痛みと腫れだったため、仕事のことも考え、夜も12時近く福岡に戻ってきて救急病院へ行きました。お薬を出してもらえたらと思って行ったのですが、そのまま切開しなければならないと言われました。咬まれた3ヶ所と、咬み傷と咬み傷の間を1ヶ所の計4ヶ所を切開する事になり部分麻酔をかけて処置しました。その後、注射や点滴などを受けました。シンさんはそんな私の姿に何故かウケて笑っていました。夜間で誰も居ないのをいい事に笑いながら写真を撮っていました。(私は痛くて泣いているのにですよ…)ちなみに数年前に同じ病院でシンさんも猫に咬まれて夜中に治療を受けたことがありました。その猫ちゃんは今は亡きゴジラ君です。手もかかりましたが、本当に最高の子供でした。
今までの保護活動ページ ゴジラ君へ


ホームへ