2007年2月6日
福岡市東部動物管理センターより
クゥーちゃんファミリーを救護しました

お迎えに行くと管理センターの中で怯えてうずくまっていたクゥーちゃんファミリー。
緊急里親募集中だったクゥーちゃんファミリーについて詳しくはこちらへ
前回ご報告させて頂きましたご報告で、この子達の保護活動をされている方が、一度は迎えに来たものの引き取らずに帰られ殺処分が決定したので当会で救護いたしますとお伝えいたしましたが、今回管理センターの方に、より詳しくお話をお伺いいたしましたら、この子が手におえるような子じゃない事と共に、殺処分が決まったら当会が迎えることになっているから殺処分にはならない事を迎えに来られた方にお話されたとの事でした。迎えに来られた方は見捨てた訳ではなく殺処分にはならない事が分かってのうえで引取りをされなかったようです。
今回は自分達だけではセンター内で救護する事が出来ずにいました。そうしたらセンターの方が捕まえるのをお手伝いして下さいました。本当に本当に助かりました。有難うございました<m(__)m>そうしてやっとお外の世界に戻ってこれたワンちゃんデス!
やっとこさ動物ハウスに到着しました!
まずは逃がさないようにトゥルリン君の車庫ルームにバリケンごと運びました。
かなり凶暴で噛み付いてくる(シンさんは噛み付かれました)ので、捕獲の要領で首にわっかをかけようと頑張ってみましたが、上手く行きません(;_;)これでは噛み付かれてしまう・・・と、時間ばかりが経過していきます・・・。
いろいろ考えバリケンの後の網からワイヤーを入れ、それでわっかを引っ張り手は入れずに中でわっかを首にかけようと!

バリケンの中で写真左の状況を作るのです。これで上手く行くだろう!といざ挑戦。何度やっても失敗でした。
時間ばかりが経過するので、もう直接やるしかないと努力はして見るものの…やはり断念(すごい勢いで噛み付いてくるのです(;_;))
本当に時間がだけが虚しく流れバテバテになりました。さすがの私も仕方ないと噛み付かれる覚悟を決めました。しかし出来るだけ痛い思いはしたくありません。軍手に野良っ子の捕獲用に使用している手袋を自分の分とシンさんの分2重に装着。更に腕にタオルを巻き、その上から段ボールを巻いてガムテープを巻いて、又更にタオルで包んで更にガムテープと…守れるだけ自分を守りいざ挑戦!と言ってもその凶暴ぶりに私の顔はビビッてますね(笑)
グルグル巻きですから思うように腕や手が動かず困難だったためバリケンを上に向けて上から挑戦しました!無事にチェーンを首にかけることに成功した所です。
続いて口輪を付けるため噛み付いてくるこの子を押さえつけてます。最初は可哀想ですが、とにかく私達はあなたを傷付けたりはしない事を分かってもらうためには乗り越えなければならない試練なのです。
体の部分にあるピンク色の口輪は付けようとして噛まれてボロボロにされ、ご寄付でいただきました口輪を準備して再挑戦!何時間たったのか、ようやく口輪を付けることに成功しました。
それから首輪と胴輪とチェーンリードを装着して、首にかけてたチェーンを外してあげました。長時間バリケンに入っていたのでバリケンから引っ張り出しお散歩に・・・。体を触られる事に慣れさせるため口輪を付けている間にたくさん体を触って大丈夫だという事を知らせてあげます。
もちろん野犬ちゃんなので全く散歩にもならなければ相手は逃げようと必死です。リードも首輪にチェーンタイプのリード、胴輪にワイヤータイプのリードを付け絶対に逃走されないように厳重の注意を払っています。大丈夫だという事を知らせられるだけ知らせ、口輪を外してあげました。もう触れないかも知れないけど、お水やご飯をあげなきゃいけませんからね(^_^.)
リードを再度付けるのはこの子にも嫌な思いをさせなければならないし、私たちも噛まれて怪我をする恐れがあるため付けたままケージに。お水とご飯を置いて今夜はそっとしてあげます・・・。安心できないだろうけど安心してオヤスミ・・・♪
翌日も、さぁ一緒にお散歩よ!あなたも怖いだろうけど私たちも本音を言うと怖いのよ(^_^.)お互い頑張らなきゃ!ネッ。大丈夫だからね!
当たり前ですが…なかなか思いは届きません。逃げようと必死にチェーンやワイヤーを噛み千切ろうと暴れてばかり。それでも話しかけ関わり続けなければ野犬のまま変わりません。暴れるから嫌がるからと放置する事はできません。これも幸せへの第一歩なのです。

この子の救助前に支援者の方から一時預かりのお申し出を頂きました。この子がどれ位の野犬なのか私たちも分かりませんでしたので救護後、様子を見て預かりをお願いできるような子でありましたら一時預かりをお願いする事にさせていただいておりました。しかしとても預かりをお願いできる子ではありませんでした。一時預かりのお申し出に深く感謝しております。本当に有難うございました。
翌日も、そのまた翌日も、たくさんのワンちゃん達に会わせ、ココは大丈夫な場所なのだと教え続けました。ようやくミミ君の小屋の前で口輪なしでも触れるまでになりました。もちろん怖がっているし逃げようともするし、関わり方を間違えれば噛み付いてもくるでしょう。それでも一歩一歩、私達を信じてもいいのかも知れないと感じ始めています。ココが安全な場所なのだと分かり始めています。
まだまだリハビリ中で穏やかなお顔は見せてくれません。相変わらずチャンスがあれば逃げようと考えています。それでも一日経つごとにほんの少しいい顔になっています。まだ触るとビクビクしていますが噛み付こうとする行為はほとんどなくなりました♪お散歩でちゃんとおトイレも出来るようになりました!もう胴輪も取れましたよ♪可愛くていい子です(*^_^*)心のリハビリ後、家族の一員として迎えてあげて下さい。里親希望はこちらへ
皆様へご報告
今回、クゥーちゃんファミリーが捕獲されているので助けてあげて欲しいと電話があり、再度この子達に関わりました。メール復旧後、メールを受信すると、同じようにこの子達を心配し見守ってきた全国の方たちから同じ声が沢山入っていて驚きました。この子達は本当に多くの方に愛されている子達なのですね!しかし残念ながら、この子達の保護活動をされておられる方(今回救助されなかった方)はご自身のブログで、この子はクゥーちゃんファミリーではなかったと発信されているそうです。センターに迎えに来た方はこの方の代理の方ですが、もしかしたらクゥーちゃんファミリーではないから救われなかったのでしょうか?センターに迎えに来た代理の方は判断が付いたのでしょうか?ご本人もこの子を迎えにセンターにも足を運ばれていないのに判断は付くのでしょうか?おそらくこの更新をした後に、クゥーちゃんファミリーは現地に全員いると発信されるでしょう。でも、私はこの子はクゥーちゃんファミリーであると思っています。実際にクゥーちゃんファミリーで私がお顔が分かるのはクゥーちゃんとその兄妹のモコちゃんと言う子だけです。緊急里親募集の写真は里親募集をするに当たって病院の方にお願いして写真を撮ってもらい送っていただいたクゥーちゃんファミリーの子達の写真ですが、お顔が撮れないと言う事で寝ている姿でした。ですから今回お迎えに行ってもお顔が分からないなぁ…と不安気味に迎えに行ったものです。しかしセンターには「えっ?クゥーちゃん?」と思うほどクゥーちゃんにそっくりの子が私達を待っていました。ただクゥーちゃんとモコちゃんのお顔は分かるといっても写真で知っているだけで実際に会った事はありません。大人になったモコちゃんは写真では足が長いせいか、かなり大きな子に思えます。モコちゃんよりクゥーちゃんは小さいものの、写真では実際の大きさは分かりませんので、この子がクゥーちゃん本人かどうかは断定はできません。ただ本当にクゥーちゃんにそっくりだと思いますのでクゥーちゃんファミリーであると私たちは思っております。そして、クゥーちゃん本人かも知れないという思いも捨てきれずにおります。なぜなら、生後7ヶ月の男の子とセンターでは記録されていますが、威嚇の仕方は明らかに成犬であり、7ヶ月ぐらいの子ではないと判断できます。これまで数多くの野犬と付き合ってきましたので、それくらいの事は分かります。そして口輪を付けている間に性別の確認をしましたら、この子は女の子でした。センターでは体の大きさ等で大よその年齢が付けられますし、性別の間違いは実際多々あります。センターでも捕獲した野犬の性別をきちんと確認するのは困難だろうと思います。実際に北九州エリアの仔犬たちは体が大きいので捕獲の再の記入でも生後半年に満たない子が成犬としてカウントされていますし、譲渡の再の書類でも成犬となっています。確かに成犬並みの大きさです。また体の小さな子は老犬でも仔犬とカウントされていたりします。性別の間違いも本当に多々あります。そのため迷子犬を探されている方には私達は必ず実際に捕獲されていないかセンターに見に行くように伝えています。その地域からはオスしか捕獲されていません…と言われても、その子はメスかも知れないのです。とにかくご自身の目で確認する事をいつもお勧めしています。この子がクゥーちゃんファミリーかどうかのご判断は、この子達を知る皆様のご判断にお任せします。まだ怯えている写真しかないので判断しにくいでしょうが、これからもっと良い表情になっていくと思いますので見守っていてください。
現地視察へ
今後の救助の事を考えクゥーちゃんファミリーのお顔の確認ができたほうが良いと判断し現地に行ってまいりました。広い敷地内を探し回った挙句、聞き込み調査をして病院の関係者の方にこの子達がいた場所へ案内していただく事が出来ました。そこにはファミリーと思われる子が2匹いましたが逃げられちゃいました。ココとココが餌場になっているようです…と案内された2箇所の場所は苦情が出ても仕方ないほど餌をあげた器やゴミが散乱していました。これでは犬達が嫌われてしまいます。私達は常に保護の為の餌付けであり、ご飯をあげた後も跡形もないほど片づけをして帰っているので、その光景に驚きました。

現在、クゥーちゃんやモコちゃんの行動範囲は非常に広く、随分離れた場所にも現れていますので、この場所で会える可能性はとても低いですがファミリーの顔を知るためにも今後できるだけ捜索に通うしかないかと思っております。

また実際にクゥーちゃんを知る方にクゥーちゃんの兄妹でクゥーちゃんにそっくりのチロちゃんと言う子がいて、その子がクゥーちゃんより小さいというお話を伺うことが出来ました。今回の子(クックちゃんと名付けました)が落ち着きましたら、実際にクゥーちゃん達を知る方にクックちゃんに会っていただき確認していただこうと思っております。
センターでの悲しい出来事
私達二人に救える命は多くはありません。ですが精一杯の力で救える命を救っています。今回クックちゃんの引取りの書類を書いていましたら一人の女性がセンターに来ました。「犬を連れてきたのですが・・・」と。黙って話を聞いていましたら15年飼って来たワンちゃんを10日前から吠えるようになったので処分に連れて来たと平然と言っているのです。センターの方はココは最終的にどうしようも無い時に来る場所であり飼主なら最後まで責任を持って飼うのが普通なのだと説明していました。動物病院に連れて行くとか出来ないのですか?と問いかけておられました。しかし、飼主は色々考えたけど処分をお願いしますと言いました。こんなに全てを捨てて必死になって救っているのに、こんな簡単に15年飼ってたワンちゃんを殺しに来るなんて私には耐えられない会話でした。センターの方に一言詫びて、話に顔を突っ込み「ここがどうゆうところかご存知ですか?安楽死ではありませんよ。苦しんで苦しんで、苦しみもがきながら死ぬんですよ。最後まであなたが迎えに来てくれるのを待ちながらですよ。15年一緒に居た子にそんな死を迎えさせるんですか?」と問いました。すると「まぁ可哀想だけど吠えられても困るしねぇ・・・」と飼主は言います。私は「老犬になれば当たり前ですよ。色んな症状が出てきます。人間だって老人になれば同じです。ボケもすれば訳の分からない事もいいます。だからって殺さないでしょう?ワンちゃんだってあと少しの命、ちゃんと最期までみてあげてください」と頼みました。ですが飼主は「いやいや、それは出来ない。吠えるから困るし、苦情が出るからね。出かけられなくなるのは困るから・・・」と言いました。センターの方も最期まで面倒を見るのは飼主の義務だと説得されました。それでも処分して下さいと言う飼主。私は「そんなに簡単にここへ連れて来ないで下さい。殺される場所なんですよ。どうしてもそう言うなら動物病院で安楽死をさせてあげてください。」と頼みました。センターの方もそう飼主にお願いされました。飼主は「ん・・・」と考え、「病院でしてもらえるんですか?」とセンターの方に聞きました。センターの方が「断られる病院もありますが安楽死をしてくれる病院を探すのもワンちゃんを苦しめないために行う飼主の義務です」と答えられました。飼主も引き下がるかと思いきや「やはり処分をお願いします」と言い、センターは本当は最後の最後の場所なんですよ…と引取りの書類を飼主に出しました。私は再度、動物病院での安楽死を飼主にお願いしました。「どうかあなたの腕の中で安楽死で最期の時を迎えさせてあげてください」と。しかし聞く耳を持ちません。だから私は「人に処分を頼むのではなく1万円も出せば安楽死がしてもらえるのだからそうして下さいよ。そしてあなたは自分が殺した事を自覚するべきだ」と伝えました。どれだけ苦しい死が待っているかを伝えても安楽死を選ばない飼主が引渡しの書類を書き始めたので、私は思わず肩を持ってこちらに振り向かせ「安楽死をしてくれる病院を探すのが面倒なら私と一緒に私のかかりつけの病院へ行きましょう。ちゃんと安楽死させてもらえます。お金が勿体無いとお思いなら全額私が負担しますからココでの苦しみに満ちた死を選ばないで下さい。あなたの腕の中で死なせてやってください。それが最後に出来るあなたの飼主としての義務でしょう?引き渡せばその子は自分が殺される番が来るのを怯えながら過ごし最後には苦しみもがくんですよ。そんな死に方させないで」と言いました。すると飼主は怒り出して関係ないあんたは出て行けと私は追い出されてしまいました。センターの駐車場でただ立ちすくんで泣くことしかできない。センターの中には処分を待つ子が沢山居ます。私達はいったいどの子を救えばよいのでしょう…。いつもいつも悲しくツライ思いでいっぱいです。全てを救うことは出来ません。飼主を説得することすら出来ず、引き渡される子がこの駐車場のどれかの車の中にいるのだと泣きじゃくりました。シンさんがそんな私の横に来て「帰ろう。見ないほうがいい。俺達は限界までやっている。殺される子は中にも山のようにいる。とてもツライし、本当は全部救いたい。でも無理なんだ。どうしようもないんだ。さぁ車に乗って・・・」と言いました。でも私は動けませんでした。頭の中で何とか救えないだろうか?考えまくっていました。老犬で残り短い命、面倒を見てあげられないだろうか?でも我家の老犬すら姉と妹に任せっきりになっているほど私には面倒を見てあげられる時間がないのです。まだ北九州のセンターに迎えに行かなければならない子を残しているし、シンさんの言うとおり自分に救う力など残っていない事は頭では分かっているのに心だけは分かってくれません。もっともっと死ぬ気になれば…そう心が叫んでいました。駐車場に立ちすくんだまま溢れてくる涙を拭うこともできずに何とかできないの?自分に問いかけていました。そうすると飼主が出てきて車でセンターから出て行きました。シンさんに「犬を引き渡したの?」と聞くと「いや?見ていない」と。もしかしたら思いとどまったのかも知れないとすぐにセンターに入りどうなったのか聞きました。引き取りは行われていました。でも私達は駐車場に居たけど見ませんでしたけど・・・というと、スロープを車で上がってもらい飼主の手でセンターに入れさせていますので、私達の後を車で通ったはずですよ・・・と。頭は必死に救う方法を考えていたし心は叫んでいたし、泣いていたので私は引渡しに気が付かなかったようです。こんな飼主が後を立たない以上、私達の活動に終わりは来ない。私が顔も知らない老犬ちゃんの気持ちを思い泣いているのに、その子と15年を共に過ごした飼主は涼しい顔でセンターを出て行きました。これが現実なのです。それからセンターの方にそのような飼主に今後も説得をしてくださいとお願いしました。センターさんは飼主に引き取り書類を渡す時、もう二度と犬を飼わないで下さいとその飼主に言いました。身勝手な飼い主の変わりに殺処分をしなければならないセンターの方たちの苦悩が伺えました。私は止まらない涙を流したままグチャグチャの顔で救えない命に心で謝りながらセンターの方に「私には全ての子を救うことは出来ませんが一生懸命に頑張りますからセンターさんも頑張ってください。簡単に引き取らずに今後もこうして説得して下さい」とお願いしました。センターの方はこれからも宜しくお願いしますと頭を下げてくださいました。みんな1匹でも救ってあげたいのです。センターさんの説得で10人に1人くらいは一度は処分に連れて来たワンちゃんを連れて帰る飼主さんがいるそうです。そうでなく引渡しをする飼主さんには少しでも責任を感じてもらうため飼主の手で檻の中に入れさせているとのことでした。救えない苦しみに私達はいつもいつも苦しんでいます。本当はセンターに行くのが辛くてたまりません。でもそこにはもっともっと苦しんでいる動物たちが救いの手が差し伸べられるのを待っているのです。どんなに辛くても救える命を救いに行かなければと毎回勇気を奮い立たせてセンターへ行っています。慣れる日など来る事はないでしょう・・・。センターに行った日はいつも眠れぬ涙で濡れる時間を過ごしています。この戦いがいつか報われる日が来る事を願って頑張っています。センターの方は最後に私にこう言いました。クックちゃんのことを「あの子は本当に大変だと思いますが、どうか宜しくお願いします」と深々と頭を下げられて。救われた数少ない命の中のひとつ。クックちゃんをしっかりケアして幸せへの道へ送り出せるようガンバリマス!

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