2007年2月22日
北九州市動物管理センターより第1エリアの順ちゃんを救護!

それは2月16日…第1エリアの子が15日に捕獲され収容されたと北九州市動物管理センター様よりご連絡をいただきました。頭の中は「どうしよう」で一杯でした。まだ私達に救う力は残されているのだろうか?世話はできる?仕事は出来る?お金は大丈夫?自分で自分に色んな質問を浴びせていました。でも「諦める事だけはしたくない!」その一心で死に物狂いで家を探し、激戦の引越しを乗り越えたのです。皆さまからの温かい応援、励まし、皆様からいただいたお言葉が胸いっぱいに広がりました。「まだやれる!」いや「まだまだやれる!」私達は二人だけじゃない!応援してくれる皆さまと共にこの子達を救えるための家を探し、引越しを乗り越えたのだ!殺処分されるこの子達に「明日」と言う日を私達がプレゼントしないでどうする!と、今度は自分で自分を叱っていました。そして何より、必ず迎えに来るからとこの子達にしてきた約束を精一杯の力で守らなければ…と。皆様の温かい気持ちが、言葉が、私達に多くの勇気を与えてくれています。一瞬の焦りや不安が消え去ると「今度はセンターで誰に会うのだろう?私達を待っている子は誰?」と第1エリアの子達の顔が次々と浮び「迎えに行くから待っていてね!」と…捕獲の一報に一瞬黙りこくっていた私達も「捕獲されたのはきっとあの子よ」「いやあの子だ」と言い合っていました。皆さまからのご寄付が、私達に動物たちを救うための大きな力を与えてくれています。皆様がいてくれるからこそ救えた命です。通常、収容期限最終日の21日に迎えに行かなければならないのですが、センター様にお願いして殺処分を延期していただき、翌日の22日本日、迎えに行ってまいりました。
どの子が私達を待っているのだろう?諦めることなく迎えにいける喜びと、やっとふさちゃんに噛まれた治療が終わったばかりのまだ痛みが残っている手…噛み付く子かなぁ?なんて不安を胸にセンターへと向かいました。そして到着…いつもと同じ緊張感…私達の予想はしょうちゃんやサラちゃんの兄妹か、もしかすると全く姿はないけど亡くなった和香子ちゃんや一足先に捕獲され現在ハウスで生活中のビビちゃんやミルキーちゃんの後1匹だけ保護できていない兄妹、またはくま君の兄妹に違いないと言ったものでした。100%その中の誰かだと思っていました。それがセンターの中で私達を待っていたのは、生気を失い、悲しい瞳をした「順ちゃん」だったのです。センターの檻の中の真ん中で順ちゃんとは思えないほど小さく丸くなっていました。「順ちゃん?順ちゃんなのか?」シンさんの呼びかけに順ちゃんは頭は上げずに、その悲しい瞳だけを上にあげ「ん?んー?んんー?」と考えている様子。「順ちゃん!帰ろう!」その呼びかけに少しは逃げたものの噛み付くことなく素直にバリケンに入ってくれました。現地の方の情報でも、この子は軽く8年間くらい捕獲から逃げ切れていて、とてもとても捕まるような子じゃないとお墨付きだった順ちゃん。それがセンターで私達を待っていたのが順ちゃんだった事だけでも腰が抜けるほど驚いたのに、プライドが高く、気が強く、現地でこの子の保護をするにしても確実に噛み付かれるだろうね…といつも言っていたので素直にバリケンに入られて更に驚きました。そして順ちゃんを再びお外の世界へ連れだし声を掛け目を見て分かりました。この子は私達が助けに来た事をちゃんと分かっていたのだと。この子が大人しいわけがない…センターの方に捕獲の際はどうだったのかお尋ねしたら、やはり激しい子だったと言っておられました。そして帰ってきて更に分かった事。それは待っていたのが順ちゃんだったことが余りに驚きだったからでしょう。センター内で小さく丸くなっていた順ちゃんの写真を撮っていない事でした(^_^.)・・・順ちゃん、順ちゃん、順ちゃんを連れて帰らなきゃ!と無我夢中でした。ふさこちゃんや順ちゃんが捕まるなんて本当に信じられません。もしかしたら野良として生きるのに、捕獲から逃げるのに、もう疲れ果てたのではないだろうか・・・。
順ちゃん、無事お車に乗車!
人生で2度目の車だね。一度目は、そう、センターに収容される時…。きっとその時は怖くて不安だったね。でもセンターの方達も殺処分するために捕獲してるんじゃないんだよ。私達の元に送り出すために保護されたんだよ。だから大丈夫だからね。第1エリアのみんなが動物ハウスで待ってるから一緒に帰ろうね♪
途中、焼き鳥を買ってあげたけど緊張が取れない順ちゃんは食べてはくれませんでした。バリケンに手を入れると奥に引っ込み少し威嚇。まだまだ不安でいっぱいの順ちゃん。
動物ハウスに到着!さてどの首輪のサイズが順ちゃんに合うかな?女の子色の首輪になると良いね(^_^.)
とりあえずは触れそうにない順ちゃん。はて?どうやって首輪を付けようか?とりあえず、とりあえず、第1エリアの皆に会わせて安全な場所だと順ちゃんに落ち着いてもらうため第1エリア組みのお部屋へ。バリケンの扉を開けてしばらくするとソローっと出てきた順ちゃん。黒母ちゃんが順ちゃんに気付き「順ちゃん♪」と声を掛けました。すると尻尾を丸めていた順ちゃんの尻尾がキュッと上にあがってクンクン匂いを嗅いで再会を確認!
しかし現地に残っているお母さんや黒母ちゃんの母であるという順ちゃん。第1エリアで一番小さな体でしたが確かに順ちゃんはボスでした。その順ちゃんがやって来て黒母ちゃんは嬉しいような怖いような複雑な気持ちでいるようでした。順ちゃんにビビってる黒母ちゃん…助けを求めています(^_^.)
順ちゃんが尻尾を振ってくれました♪あっこれなら大丈夫だ!と思いながらも、おそるおそる順ちゃんに触れてみました。
でもまだ、おやつをあげても口にはしてくれません。
すっかり慣れた黒母ちゃんはヤキモチを焼くほどになりました。順ちゃんは狭いスペースに逃げ込んでいます。
そのスペースでゆっくりくつろぎ始めた順ちゃん。お隣のミルキーちゃんとも再会の確認のためクンクンしました。
首輪を装着。ちょっと威嚇はあったけど口輪なしで首輪を付けてあげる事ができました(ホッ)。良かったデス。赤色の首輪のサイズがピッタリきました(#^.^#)
みんなと再会してとても安心したようで「私すっごく疲れたから少し眠りたいの…何日も眠れずに過ごしていたのよ…お願い、少しだけ眠らせて」と順ちゃん。ご希望通り少しそっとしてあげる事にしました。
その間に本当に久しぶりに手作りご飯を作りました。なかなか手作りを食べさせて上げられないまま手の怪我に突入して本当に長い間、大好きな手作りを作ってあげる事が出来ないでいました。巨大鍋も51匹分となると一人頭ほんの少しずつですがフードに乗せてあげると本当に幸せそうに喜んで食べてくれます♪
しばらく休憩をさせてあげると少し元気になった順ちゃんは狭いスペースから出てきていました。お部屋に入ると喜んで出迎えてくれました。間違いなく自分は助けられたのだと確信が持てたような感じでした。もしかしたら食べてくれるかも?と再度おやつをあげてみると今度は受け取ってくれました♪ササミガムを食べている順ちゃん。
お部屋ですごい血尿をした順ちゃん。少しお散歩に連れ出してあげてみました。逃げようと暴れる事はないのですがてこでも動かない順ちゃん。すっかりお散歩もできるようになった黒母ちゃんと一緒なら歩くかな?と黒母ちゃんも一緒にお散歩…しかし順ちゃんは歩きません。
連れ出したものの歩かない順ちゃんをどうやって連れて帰ろう???
順ちゃんは全部分かってる。だから大丈夫!順ちゃんを信じて抱っこしました。こうして順ちゃんを抱っこできる日が、北九州から福岡を越えて遥々と唐津まで連れて帰れた事が、本当に夢のように思えマンガの様にホッペをつねってみたのでした(^_^.)
そして落ち着き払った順ちゃんは早速第1エリアのボス振りを発揮。黒母ちゃんの場所を奪い取りました(-_-;)
追いやられた黒母ちゃん(;_;)あぁゴメンね(;_;)
順ちゃんから奪われた場所を奪い返すのは争いごとの元。黒母ちゃんも絶対に取り返そうとはしません。野良っ子たちのすごい上下関係です。黒母ちゃんに新しい毛布をあげ新しく黒母ちゃんの場所作り考え中。6畳しかないこのお部屋にこれで10匹目のワンちゃん(順ちゃん)が入室したのですからスペースがありません。しかし別組みの部屋では上手く行きそうにないし、第1エリアは第1エリアの仲間と一緒が1番いいからこの部屋で頑張るしかありません。
手作りご飯タイム!黒母ちゃんに場所を返してあげた方がいいのでは?とまだ悩んでいた私達はその場所では順ちゃんにご飯を上げずに違う場所であげたのですが黒母ちゃんが「それはいけない」と伝えてくるのです。自分は順ちゃんに場所を明け渡すと・・・。ですからゆっくりご飯を移動させて黒母ちゃんの場所を順ちゃんのものとする事に私たちも同意しました。
ガラスの襖を開けて犬達が逃走しないように段ボールで塞いでいた場所を扉が開かないように鍵をつけて段ボールを外しました。ここなら順ちゃんに威嚇される事無く黒母ちゃんが安心してご飯を食べられます。
順ちゃんはすっかり安心してご飯を全部キレイに食べて「ご馳走様」を言いに来ました。そして自分の場所に戻って「おやすみなさい」と言いました。
黒母ちゃんも少し狭くはなりましたが新スペースに落ち着いています。本当にいい子です。もちろん順ちゃんもいい子ですよ(*^_^*)第1エリアは第1エリアのシキタリ通りに仲良くやっています♪こうして無事に順ちゃんをハウスに迎える事ができました(*^_^*)

じゅんぞう君との再会
あの日、忘れもしない去年の7月2日。4本足とも骨を折られた我子「じゅんぞう君」を必死に守っていた順ちゃん。順ちゃんからじゅんぞう君を奪って約8ヶ月…やっとこの親子を再会させてあげることが出来ました。そう、私はあの日も、必ず迎えに来るからと現地に残して帰る順ちゃん達に約束したのを忘れてはいません。親子の再会の瞬間を収めようとカメラを片手に構えていたのは良かったのですがカメラのレンズカバーが半開きになっていました(^_^.)ふたりはクンクン匂い合い念願の再会を果たしましたが自分より遥かに大きくなったじゅんぞう君があの時の自分の息子だとは分からないようでした。でもずっとじゅんぞう君のハウスの前でお座りをしていた順ちゃん。いま二人は同じ屋根の下にいます。精一杯の愛でじゅんぞう君を守っていた順ちゃん。その子から大事な息子を奪った私達(詳しくはこちら)。その日から8ヶ月…順ちゃんは管理センターで迫り来る死に怯えていました。順ちゃんもじゅんぞう君も私たちも、それぞれに多くの苦難を乗り越え、今ようやく一つ屋根の下で暮せるようになりました。ひとりひとりが新しい家族を見つけ、このハウスを旅立っていく日まで、私達は、順ちゃんがじゅんぞう君を守っていたように精一杯の愛情でこの子たちを守っていきます。まだまだ現地に残している子達を約束どおり迎えに行ってあげたいと思っています。どうか皆様、引き続き応援して下さい<m(__)m>私達に勇気と力を与えてください。宜しくお願い致します。

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