2007年10月11日 午前10:04分
ポケット君が天国へ旅立ちました・・・。

〜9月28日〜10月10日までのポケット君の様子〜

お詫び
まずは皆さまへお詫び致します。ポケット君を保護した時からずっと見守って下さっていた支援者の皆さま、事後報告となってしまった事を心よりお詫び申し上げます。ポケット君の容態が悪くなってから、皆さまへ状況をご報告しなければ…と思いながらも、少しでも長くポケッティ君のそばに居たい。少しでも多く出来ることをしてあげたい…と言う思いでポケット君との時間を大切に大切に過ごしてきました。忙しい私にとって、限られた時間の中で、65頭の子達のお世話の中で、ポケット君と過ごせる限られた時間…1分…いえ1秒でも、私にとってその時間はとても貴重な時間でした。私は、この間、私が持てる時間の全てをポケッティ君と過ごしてきました。容態が悪くなったポケット君が、無事に危機を乗り越えて、その事を皆さまにご報告できればと願い、頑張ってお世話をしてきました。私にしてあげられることなど本当にほんの少しです。私は病気の子や老犬・老猫の子に全ての時間を捧げる事はできません。私の精一杯は、その子にとって本当に小さなものです。私がポケット君に注げる時間も決して多くはありませんでした。だからこそ、1分でも1秒でも、その時間を大切にしてきました。ポケット君が天国へ旅立ってからのご報告となってしまったこと、どうぞご理解いただき、お許しいただければと願います。

この間の私とポケット君の時間をご報告いたしますので、どうぞ最愛なるポケット君との最後の時間を温かく見てやって下さい。
そして、天国に居るポケット君に声をかけてあげて下さい。
たくさん愛してくれていた人たちが居ること、どうかお空のポケット君に届けてあげてください。

前回の動物ハウスの様子でご報告した以降のポケット君の様子です♪
大きなサークルで快適に過ごしていたポケッティ君です。おトイレの我慢がきかなくなってきていたので色々考えてスノコ等を購入してきました。ペットシートでおトイレした時にお布団にオシッコが付かないように寝床にスノコを置いて、その上にお布団を置き、ズレ落ちないようにゴムバンドで固定をしました!
これでバッチリだぞ〜ヽ(^。^)ノ・・・なんて思っていましたが、ちょっとお気に召さない様子でした(^_^;)
その後、スノコが嫌いだったようなので、オシッコがお布団に付かないように、ご支援で頂きましたビニールシートを使用してその上にご支援で頂きましたマットやタオルケットを置いてあげています♪すると気に入ってくれたポケット君♪段差が無い方が気に入るようでした。
毎日のお薬もパクパク食べていました。調子の状態によって、お薬の種類や量が変わります。
少し状態は悪くなってきてはいましたが、広々快適サークルでのんびり過ごしてたポケット君♪ポケット君は毎日G君と一緒に夜お散歩に行くのですが、この頃はまだG君と一緒に張り切ってお散歩に行っていました。

更にその後・・・10月5日 動物病院へ
容態が悪くなってきたポケット君。動物病院へ出発です。ふさ子ちゃんやうるるんちゃんが避妊手術で一緒のため乗り心地の悪い動物ハウス号(ワゴン)で出発。揺れに踏ん張るのがキツイだろうと思いポケット君はバリケンに入って行きました。
急激に状態が悪くなったポケット君。腹水がパンパンになって歩くこともままならず、立っている事も出来なくなったポケット君です。
先生は診察後、もう末期状態だと言われました。でも私は何とか少しでも良い方向に持って行ってあげたいからと色々と検査をしてもらいました。先生も「状態にしては顔つきも良いしな」ってポケット君を撫で撫でしてくれて検査をして下さいました。
血液検査の結果は先生の予想通りで肝臓やその他かなり悪い状態でした。フィラリアの末期で肝炎や肝硬変の状態だろうと言うことです。もちろんキツくて動けなくて当たり前だろうと・・・。心臓から血液を送るポンプがフィラリアによりキチンと機能していないため強心剤で心臓の動きを良くして、利尿剤で腹水を出して、状態が少し良くなれば肝臓の数値を再度計り治療を行っていくことになりました。食欲も落ちていたので各治療薬の注射と点滴を少し受けました。食欲が無いからと言っても点滴を入れると腹水が溜まるとの事で沢山はできないそうです。食べてくれなければ体力が落ちていきます。点滴は腹水が溜まることになります。肝臓の治療の点滴も同じだそうです。治療も本当に難しい状態となりました。そして、ずっと治療を続けてきて起きていることなので、もう治療が行えるほど長くはない状態だと言うことを覚悟するように言われました。
帰りはふさ子ちゃんとうるるんちゃんは入院したのでポケット君は後部座席に乗りました。でも、すぐに前に来て「ボクを抱っこして〜」と言ってきたので助手席で抱っこしてあげて帰ってきました。抱っこ抱っこ!とやって来たポケッティ君です。可愛いでしょう♪あんまり可愛くて抱っこしてる間はポケ君とイチャイチャしちゃってましたので、その写真が無いのが残念です(^_^;)
今回ポケット君に処方されたお薬です。
左から抗生剤・解熱剤・利尿剤・強心剤です。
あまり動けなくなり寝たきりの状態になったため、サークル一面ふかふかにお布団を敷いて、その上にオシッコシートを敷きました。オシッコをしたら直ぐにシートを取り替えてあげるために、付き切りでお世話の状態でした。
肝臓に負担を掛けない様に毎日ポケッティ君だけは100%手作りご飯にしていました。

この日はサツマイモと鶏肉を魚粉と煮込んであげました。混ぜるご飯はポケット君用に10穀米入りのご飯を炊いてあげていました。
食欲旺盛のポケット君の食欲が落ちて心配でなりませんでしたが、寝たきりの状態でも何とか食欲は復活していきパクパク食べてくれるようになりました。65匹分を毎日作ることは出来ないので、他の子達がヤキモチを焼いて大変でしたが、ポケッティが毎日手作りご飯を楽しみにしてくれているので「もう一度、一緒に散歩に行こうね!」ってポケットと約束して必死に肝臓のこと、健康を考えた料理を作ってきました。
ポケット君に美味しいご飯を食べさせてあげたい!

そんな時、支援者の方からスーパーの商品券が5500円分、届きました。「ぜひ私共2人の活力源としても使ってください」と言うお言葉に甘えさせていただき、お結びを購入させていただき、あとの全額をポケット君用のご飯の材料を購入するのに使用させて頂きました。ポケット君のためにお肉やホタテ、チーズや鮭や野菜など沢山の食材を買うことが出来ました。好物だったスルメも買ってあげる事が出来ました。本当に有難うございました<m(__)m>
そしてポケット君は、お薬と美味しいご飯を食べて、こうしてお座りが出来るほどに回復しました。寝たきりになってたポケット君がこうして座ってくれたのです。私は嬉しくて嬉しくて泣きました。悲しくて泣くことは多々あっても嬉しくて泣くことは中々ありません。最高に嬉しかった瞬間でした。どんなに嬉しかったことか伝える言葉が浮かんできません。本当に嬉しかったです。絶対に危機を乗り越えてくれる!そう信じて疑いませんでした。
鮭のバター焼きを焼いてあげました。きっと生まれて初めての鮭を経験したポケット君。大喜びして立ち上がって鮭をパクパク食べました!お外にお散歩までは行けないけれど、お庭におトイレに出て、お庭内をテケテケ歩いて気晴らしも出来るようになりました。お水制限をされているポケット君はお庭ではいつも他の子のお水を飲みにグイグイお水のある所に行っていたのですが、いつもの様にお水を飲みにグイグイっと引っ張る力まで出てきました。今までは、お水を飲みたいと言うポケット君にお水を飲みたいだけ飲ませてあげられなくてツライ事だったのですが、寝たきりになってたポケ君が力強くお水の方へ引っ張る力に、この時ばかりはシンさんと本当に大喜びしました。お水制限されていると言っても、必要量は十分に飲んでいたんですよ。飲みたいだけ飲ませると何リットルでも飲み続ける勢いなので、その分腹水が溜まるので、必要量以上には与えられなかったのです。保護したときから体調は悪くずっと体が熱を持っている状態だったので、制限しないと水をがぶ飲みすると言った状態でした。
利尿剤で溜まった腹水を出しているものの、まだまだお腹は腹水でパンパンです。熱が上がると冷たいとこに居たくて自分でお布団を除け除けしてヒンヤリした所で寝ています。
10月8日
10月8日、今日はポケット君の状態が良ければ北九州エリアに行く予定でした。でも私たちはギリギリまで悩んでいました。長時間も出かけて大丈夫だろうか?と…。

次の週も予定が入っており今日を逃せば北九州へ行けるのは、また当分先になりそうでした。それを知ってるかの様にポケット君は(写真左)お台所にやってきて「ボク大丈夫だよ!」って元気そうに言ってくれました。
出かける前にふかふかの部分を半分にして、ヒンヤリしたい時用にご支援で頂いた竹マットを敷いてあげました。動けるようになったばかりのポケット君は、その竹マットに横になって、笑顔で「行ってらっしゃい!」と私たちを北九州エリアへ送ってくれました。
北九州から帰ってくるとキツそうに横たわっていたポケット君。お庭でおトイレをさせてあげて、すぐに手作りのご飯を作って食べさせてあげました。

その夜、お腹がきゅるきゅる言っているので、ちょこちょこお庭に出してあげながら過ごしていました。夜中にお庭に出してあげた時に「お散歩に行く!」って言うポケット君♪

歩けるようになっただけでも嬉しいのに、久しぶりにポケット君がお散歩に行くって言ってくれたので本当に嬉しくて、そのままお散歩に出ました。けっこう力強く歩き、少しだけかと思っていたのに、いつもの調子でお散歩するポケ君。キレイな便もして爽快そうでした。

私はこれが最後のお散歩になるなんて思いませんでした。少しずつ良い方向へ向かって行ってくれる…そう信じていました。

今思えば、もう一度一緒にお散歩に行こうねって願った私の夢をポケ君が叶えてくれたのだと思います。こんな状態の中で元気にお散歩に行けたなんて奇跡のような事なのです。

ポケ君はまだまだお散歩したいと言ったけど、私はあまり体力を消耗させてはいけないと「また明日ね」とポケ君を連れて帰りました。ポケ君は本当に元気に力強く歩いていました。その姿に私は明日もお散歩に行けると信じていました。

でも、10月8日の夜中、この時のお散歩が最後のお散歩になりました。
お散歩から戻っても、ご機嫌そうに過ごしてくれていたポケット君です。

しかし、お散歩から戻って1〜2時間後、食べたご飯を少しだけ吐きました・・・。
10月9日
そして10月9日のお昼・・・。

ポケット君はかなりの量を吐き上げました・・・。食べたものが真っ黒な状態の嘔吐物でした。以前に尿毒症で亡くなった子の嘔吐物に似ていたので、直ぐに先生に電話をして、本日予定していた避妊手術をキャンセルしてポケット君を診て頂くことにしました。
体をキレイに蒸しタオルで拭いてあげて、風邪を引かないように、しっかりドライヤーで乾かしてあげました。
フィラリアの末期と分かっていてもポケ君はしっかりした顔付きで頑張っていました。ポケ君の状態はとても悪かったです。だけどポケ君の顔を見ていると、とても末期とは思えないほどに輝いた目をしていました。
竹マットもキレイに洗って干しました。吐き気が落ち着くまでハウスや廊下でくつろぐポケット君です。
そして病院へ出発しました!
ゆっくり乗用車(セルちゃん号)に乗って病院へ出発しました。ポケ君だけをゆっくり乗せて連れて行ってあげられるように今日予定していた避妊手術をキャンセルしたのです。
今日は雨・・・。雨の中、一緒に後部座席に乗って病院へ出発しました。
ポケ君も途中、ピョコンと起きてお外を眺めたりしながら病院へ向かいました。
ちょっと離れたり、そそそ・・・と寄ってきて膝枕して〜と甘えてきたり、キツイ体でも本当に笑顔で頑張ってくれました。
病院へ到着したポケット君。

強心剤の副作用で吐き気がある事はあるとの事ですが、そんなに多量に強心剤を飲ませているわけではないので、やはり肝臓の問題が大きいとの事。利尿剤でだいぶ腹水が出ているので触診で肝臓を診察した結果、かなり大きく腫れて硬くなっているとのことでした。フィラリアによる多臓器不全の状態になっていると言われました。実際に肝臓の治療に入るとなると最低でも1週間は入院して24時間点滴を受けなければなりません。点滴を受ければ腹水も溜まるため大量には入れられないと言われましたが、肝臓の状態が良くなれば状態も改善されていきます。しかし末期の状態が変わる事はなく、この夜に亡くなっても何も不思議じゃない状態だという事でした。この子にとって私たちと離れ、先生の側で、入院部屋で、命を落とすことになるのは決していい事ではないと思うと先生は言われました。入院して治療をして欲しいと言うのならやるけど、治療中に亡くなる可能性も高いと…だから、この子の気持ちを考えて決めなさいと言われました。先生は、きっとこの子は病院なんかに居たくないだろうし、私の側に居たいだろう…と。入院中に亡くなった時、先生は、もっと飼主さんに「連れて帰って側に居てやりなさい」と言えば良かったと何度も後悔した事があると言われました。治療しなければ助からない。でも今離れたら病院で亡くなってしまうかも知れない…そんな状態の中で私たちは入院治療を受けるか受けないか苦しい選択をしなければなりませんでした。いくら考えても答えは出ません。他に治療法はないのですか?そんな言葉しか出てきません。答えを出せないでいる私達に先生が、今日は状態が悪いので肝臓の治療薬や吐き気止め等、必要な治療薬を皮下注射で入れて、もしも明日少しでも状態が良くなるようであれば入院して肝臓治療に入るとか、今日は連れて帰って一日考えたら…と言われました。私たちも、このまま入院させる覚悟が出来ないので、最善の治療を受けてポケ君を連れて帰る事にしました。
帰りの車中もそっと寝させてあげていても、ちょこちょこっと向きを変えて膝枕にやって来てくれたポケ君。甘えてくるポケ君を見て、やっぱり連れて帰って良かった〜って思いました。病院の冷たく堅い床、そんな入院部屋で過ごさせるなんて出来ない…。
ポケット君はとても甘えてきました。まるで入院させないでくれてありがとう…と言うように…。ポケット君の状態が本当に良い状態に向かい、今よりも安心して入院治療を行えるようになれば、その時は治療を受けよう。離れ離れになってポケ君が不安の中で亡くなるような、そんな死だけは迎えさせたくない!そう思い、私たちは自宅治療を選択しました。最低限必要なお薬を粉状にして、苦くないようにお砂糖やハチミツで溶かして飲ませてあげていました。お口直しにはお水やヤギミルクをスポイドで飲ませてあげました。広いサークルになっていたので、一緒にハウスの中で過ごしてあげられました。自宅での介護、部屋の移動、色々考えましたがココがポケッティが一番安心できる場所なんです。だから私がココに居ることに決めました。
夜はポケ君のハウスの横にご支援で頂いた敷きマットを敷き、ご支援で頂いた毛布を私もポケ君と一緒に使わせていただき、ずっとポケ君の側で過ごしました。寝るときはいつも手を繋いで眠りました。そうしてポケ君との時間を大切に過ごしてきました。

ポケット君 天国へ