2009年11月19日
福岡市東部動物管理センターより黒ラブ風1頭救護しますご報告

第1エリアの子(→こちら)、5兄妹(→こちら)、6頭の子達のご報告を行なう予定だったのですが

本日11月19日、救護しなければならない命の存在を知り、この子については急遽、救護を決めました次第で

7頭の救護を頑張る事になりました。

先月のお話となるのですが

10月下旬にハウスの子の里親希望を頂きまして、その方と長くお話を致しましたが

ハウスの子達はオールマイティーに人間OKではないし、人なっつこい子はほとんどいません。

里親さんの環境は良い環境であり、お断りするには非常に勿体無いお話ではあったのですが

先方が希望するハウスの子を迎えて頂くには環境的に非常に難しいと言わざるを得ず、

ご希望されるワンちゃんと会っていただいても里子に迎えて頂く事になる可能性は極めて低く

その子ではなく里親さん宅の飼育環境に最も適した子を考えていただけないか話を進めて行きましたが

先方が希望される子と、当方がお奨めする子の折り合いが合わず

ハウスの子とは、ご縁を結ぶ事は出来ませんでした。

基本的には亡くされた大型犬(ゴールデンレトリバー)を希望されているとの事で保健所からの引き取りも考えていたとの事。

年齢も5歳以上で良いとのご希望を頂いておりましたこともあり

多くが高齢犬にはなりますがゴールデンやラブラドルなど大型犬も管理センターに収容され

その多くがほぼ殺処分となっているため、是非そのような子達を救ってあげて欲しいとお願いしました。

その頃に管理センターの収容犬欄に掲載されていました

確か記憶では「黒ラブ風、推定年齢10歳から15歳」と掲載されていたと思います。

その子(大型犬)の収容犬をお伝えし、

収容されれば命の期限は短く、もし可能であるなら救ってあげてほしく、ぜひ管理センターのHP、わんにゃんよかネットにて

その子を確認してみてくださいとお伝えしておりました。

またセンターのHPをチェックしていれば、ゴールデンが収容されることもあるので

チェックしながら、そうした殺処分になる子を家族にしてあげて欲しいとお願いしておりました。

それからその後の事は全く今日まで知らなかったのですが

今日メールを開きましたら一昨日となります11月17日にその方よりメールが届いており

その黒ラブのワンちゃんを予約して先週その子に会いに行って来たとの事。

そして回答日であった今日、センターに連絡をしてお断りをした…との報告でした。

もちろん断ると言うのはとても大切な事です。

責任が持てない命を引き取るべきではありません。

だから、ここからは私の個人的な気持ちであるのですが…

私は事情を分ってなかった驚きと、溢れてくる涙で見えないパソコンの受信日時を必死で確認していました。

今日が19日、メールを下さっていたのが17日、2日が経過していました。

もうその子はこの世に居ないかも知れず…心が壊れてしまいそうでした。

こういった子がセンターに収容されているので…との私の一言が、その子の命を無闇に長引かせ

ツライ時間を長く過ごさせてしまった上で、苦しい苦しいガス室へと行かせてしまったのだと…。

その時にシンさんから電話が入り、私は泣きながらシンさんに事情を話しました。

私は本当に彼女を責めているわけではありません。その事を彼女にも皆さまに分っていただきたいと思います。

管理センターとは、生と死の分かれ道に立たされた動物たちが居る場所なんです。

その中から生きる道をつかめる子は本当に極僅かです。

犬達にとって管理センターはどうしても怖い場所です。

自分の仲間達が殺されてゆくのですから怖くて当然なんです。

いつ自分の番が来るのかって恐怖の夜を過ごし、恐怖の朝を迎え、また恐怖の夜を過ごし…そうしてその日(死)を迎えているのです。

人間でも死刑そのものより、死刑執行を言い渡される日が怖くて「明日かもしれない」と怯えて過ごすその期間が地獄だと言います。

怖くて眠れないと言います。

1ヶ月近くもの間、私の一言がその子の恐怖を長引かせたのですから

私は自分がしてしまった事にどうして良いのか分からず心が壊れてしまい泣きました。

基本的に自分が責任を持てない命に対しては、その子の運命を変えない!のが私なんです。

また逆に運命を変えてしまった命に対しては責任を持つ最大限の努力を行う!ようにしています。

なので、私の言葉がその子の運命を変えてしまった事にすごく責任を感じました。

管理センターに問い合わせるのは死ぬほど怖かったです。

その子の殺処分が行われた事実を聞く事になる可能性が高いのですから…。

その子が里親希望を断られて、もう2日経っている…いや、まだ2日しか経っていない!心の中で行ったり来たり…。

でも命を長引かせた責任はキチンと果たさなければ!と勇気を振り絞ってセンターに電話をしました。

その子は生きていました!

もちろん殺処分が決まっており殺処分目前でしたが、まだ生きていたのです。

間に合った!

悲しみの涙は喜びの涙、いえ…安堵の涙に変わりました。

恐怖の時間は長かったにせよ、未来さえ手に入れれば、それは取り戻せる時間だから!

もし恐怖の時間だけが伸び、結果、ガス室での苦しい死をその子が遂げていたら

私は大きな後悔を抱えて生きていかねばなりませんでした。

1ヶ月近くも前に収容されたワンちゃんの問い合わせですから

センターの方に事情を話し、

その子をガス室へは送れないこと、その子に対する責任を私が取りたく、迷うことなく譲渡の申し出をしました。

こんな時に更に1頭…無謀だと思われる方も多いかと思います。

だけど命への責任は取らなければなりません。

私はこの子の運命を変えてしまったのです。

もちろん生きるチャンスがあれば、誰だってそれがどんなに小さなチャンスでも、その望みに掛けるでしょう。

その子自身も、センターの方々も、その子に関わった誰もが同じ思いだと思います。

生きる望みが生まれた子を殺処分する事は出来ません。

そうして本当に生きる道が開かれる子もいる訳ですから。

ですが、そのチャンスすらない子が多いのが現実で、またこうして生きる最後のチャンスを掴みきれない子もいるのです。

管理センターにペットショップ感覚で犬を選びに行く方などもおられます。

そこに居るのは、その檻の中に居る子達は、明日さえ見えない、殺処分を目の前にした子達だということを忘れないで欲しいのです。

この子達は『命』であり『物』ではありません。

生きる望みにかけ、それまでお世話してきた子をガス室へと送り込み

殺処分しなければならない立場の人間が居ると言う事も忘れないで欲しいのです。

管理センターの職員の方全てが動物たちに思いを持って頑張っておられるかと言うと決してそうだとは言えません。

思いを持ち頑張って下さっているのは、まだまだその中の一部の方々であると感じます。

それでも、それが仕事と言えでも、命あるものを殺さなければならないと言うのは大変辛いことなのです。

誰だってそんなこと出来るものならしたくありません。

我が子を選ぶことなど出来ないように、犬たちも選ばないで欲しいと私は願っています。

どんな子でもそれが神がくれた縁なのではないでしょうか。

「センターの犬を引き取るつもりで見に行ったが実際に会いに行ったら吠えられたのでやめた。」

「センターから犬を迎えたが血尿や下痢をしたので病気だったらイヤなので返しに行った。」

これまでこうした驚くような事実を沢山見てきました。

殺される場所に居る子達です。そこで見るその子達の姿は、性格は、本来の物ではありません。

病気の事もあるでしょう。病気でなくても体力だって精神面だってボロボロで当然です。家族にした命なら治療をしてあげて下さい。

犬達が何も分ってないと思ったら大間違いです。

裏切られた事も分かっています。殺されるんだと言う事も分かっています。

死を目前にして怯えているんです。その小さな心は震えているんです。

その子の気持ちを考えて欲しい。生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされている命なのですから…。

私は、つらい思いを長くさせる事になった私の言葉が、私とこの子の縁であると思っています。

それがなければ、その時にいた多くの収容犬の中からこの子だけを救うことはありませんでした。

この事が無ければ、こういった子が収容されていると言うことは知っていたけど、救う事は無く殺処分になっていた命です。

毎日メールを開く時間など無い私ですので、もし1週間が経過していたら、きっとこの子はもうこの世に居ませんでした。

2日で事情を知りえたこと、命が消える前に間に合ったこと、全てが私とこの子の縁だと思います。

生きていてくれて有難う!その想いで胸が一杯です。

このような事情で第二の人生「命」を授かりました子です。

この子を家族にして下さる方はいませんか?

私もまだ会ったことはないし、その時に収容犬欄を見たのもシンさんだったので、

どんな子かなんて全く知らない子です。

だけど容姿も性別も性格も大きさも、この子を救うのに何の障害にもなりません。

たとえどんな子であっても新しい家族の元へ、幸せへの道へ、送り出してあげられるように頑張っていきます。

第1エリアの子、野良ちゃん5兄妹、そしてこの子、順番通りに迎えに行く予定で

北九州のセンター、福岡の西部のセンター、と迎えに行かなくてはいけない子達で予定が取れないので

この子(黒ラブ)が収容されております福岡市東部動物管理センターさんにも

迎えに行けるまで待っていただけないかお願いしたのですが

収容されてから長い子だからなのか長くは無理だとの事だったので

恐らく、一番最後に救護を決めましたこの子を一番先に迎えに行く事になるかと思います。

とにかく仕事にお世話に迎える準備に…と、地獄の忙しさで、どの子についてもまだ迎えにいける日が決まっておりません。

スケジュール調整を必死に行っている所です。

来週は祭日が入り平日は4日しかないのですが、そのうちの3日間を使いまして

各管理センターに、それぞれの子を迎えに行かなければと思っています。

7頭を迎え、ケアもままならないまま今月も終わりとなりそうです。

来月へと突入すれば、また死に物狂いで仕事に励まなくてはなりません。

この子達の里親探しにも力を入れて行きたいと思っていますので、どうか温かいご支援をお寄せ下さいます様に

心よりお願い申しあげます<m(__)m>

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